更新日:2015.09.22「葛」について
「葛」について
皆さんは、葛(クズ)という植物をご存じでしょうか?
出版社「山と渓谷社」の「日本の野草」によると、
「クズ(学名Pueraria lobata)は、山野のいたるところで見られる大形のつる状草本で、
茎の基部は木質となる。
根は太く大きく、多量のでんぷんを含んでおり、葛粉がとれる。
食用にするほか、薬用にも使われる。
中略
和名は(奈良県)の国栖が葛粉の山地であったことに由来する。」とあります。
上の写真の通り、穂状花序が立ち上がり、濃紺紫色の花を7-9月に咲かせます。
この時期に金沢動物園内を歩いていると、甘い芳香を感じることがあるのですが、
その時に辺りを見回すと、この葛の花が咲いていることが多いです。
9月2日付の花情報でもお知らせしている通り、葛は秋の七草でもあり日本文化と深くかかわっています。
俳句や短歌の季語、絵画の題材となっていて、
昔から日本人の身近にあり、その姿に秋の風情を感じられる植物でもあるんです。
その一方で、別名「グリーンスネーク(緑色のヘビ)」の異名があり、有害な雑草と言われています。
そもそも雑草の定義は、『その地で最も育ちやすい植物が大繁殖し、
それが人間にとって有用でない場合』とさ、そのような植物は雑草の扱いとなります。
かつては根から葛粉を採り、葉は家畜の飼料として利用されていましたが、
今ではそうした利用も少なくなり、
"人間にとって有用でない"と言われるようになってしまったのです。
ところが、ののはな館では、この「葛」を毎年大活用しています。
葛は、クリスマスリースを作る際の、『リースの台座』に最適な素材なのです。
葛のツタは丈夫でしなやかなので、簡単に編むことができます。
また、長いものだと10m以上にも伸びるものもあるので、編み込む作業に適しています。
さらに、ツタは乾燥させると硬くなるので、飾りをつけやすくなります。
身近な素材で、とても素敵なリースを作ることができますよ。
ののはな館では12月にリースを作成するイベントを毎年開催しています。
11月になりましたら、ホームページでお知らせいたしますので、
ぜひ、ご覧くださいね!
(ののはな子)