
更新日:2025.05.26地域の生き物保全プロジェクト活動報告 ナガミヒナゲシの除去
地域の生き物保全プロジェクト活動報告 ナガミヒナゲシの除去
先日サバンナエリアで作業していると、サーモンピンクの派手な花びらをしたオレンジ色の花が目に飛び込んできました。
見た瞬間「これはアカンやつや」と思うぐらいにケシの仲間です。
と一瞬青ざめましたが、よく調べてみるとケシの仲間でもモルヒネ成分(阿片の原料)の含まれていない「ナガミヒナゲシ」という種であることがわかりました。
じゃあ放っておいて大丈夫か、というと、そういうわけにはいきません。
このナガミヒナゲシという外来種、非常に繁殖力が強く、また周りの植物の成長を阻害する物質を分泌するため、放っておくと一面この植物ばかりになり、在来の生態系に影響を及ぼす可能性があります。
また、モルヒネは含んでいないものの、アルカロイドという有毒物質を含むため、万一草食動物が採食するようなことがあれば一大事です。
ということで、時間を作って、見つけ次第除去することにしました。
幸い一通り除去できる程度の量しか生えていませんでしたが、数日後見て回ると...。
抜いたはずの場所のすぐ近くに、またたくさん生えていました。本当に放っておくと大変なことになりそうです。
派手な花が咲いていないとなかなか見つけにくいですが、何日かにわたって可能な限り駆除しました。
派手な花以外には、複雑に切れ込んだ葉っぱと種名の通り細長い実が特徴です。
雑草ぐらい放っておいても...と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、近くの公園や、街中でも今年は体感的に多くなっているように思えます。取り返しのつかないぐらい生態系が変わってしまう前に、食い止めていくのも身近な生き物を守る大切な取り組みかと思います。
地域の生き物保全プロジェクト
※注意!
・ナガミヒナゲシには先述の通り「アルカロイド」という有毒物質が含まれているため、素手で触ると手がかぶれる恐れがあります。駆除などする際は、手袋を使用するなどしてください。
・このナガミヒナゲシに限らず、有毒物質を含む植物は数多くあります。動物園で草や花、木の葉などを動物に与えることは絶対に行わないでください。