
更新日:2023.01.27ケープハイラックスが背中に乗る理由
ケープハイラックスが背中に乗る理由
ネズミじゃないよ!ハイラックスだよ!(=゚ω゚)ノ
みなさん、こんにちは!
みなさんはケープハイラックスを観察しているとき、こんな場面に遭遇したことはありますか?
背中の上に乗っている!!Σ(・ω・ノ)ノ!
上の写真はたまたま乗っただけで、このようにきちんと乗っている姿はほとんど見ることのないレアな瞬間かもしれません。
しかし、特に子どもが親の背中に乗ることは、非常に大切な意味があります!
ケープハイラックスが背中に乗ろうとする行動は、子どもの頃によく見られます。
上の写真の赤い丸に注目していただくと、茶色い背中の中に黒い部分があるのがわかると思います。
これは"臭腺(しゅうせん)"と呼ばれる器官で、動物特有のにおいを分泌しています。
生まれたばかりの子どもは、母親の背中に乗って、この臭腺のにおいを体に付けます。
そうすることで母親は自分のにおいが付いた子どもを自分の子どもと認識し、子育てをするようになると言われています。
そのため、自分のにおいの付いていない子どもは、自分の子どもであっても子育てをしなくなります。
【2018年に生まれた子どもの写真】
ケープハイラックスは一夫多妻制の群れで生活し、同じ群れのメスはほぼ同時期に子どもを生みます。
カピバラなど一部の動物は同じ集団の母親が自分以外の子どもにも授乳をして子育てをしますが、ケープハイラックスではそのようなことはないそうです。
ケープハイラックスの母親は自分の子どもにだけ授乳をし、子どもたちは乳首をきっちりと分け合っているそうです。
体に親のにおいが付いていないと、誰からも授乳してもらえないということになります。
つまり、子どもが背中に乗って、親のにおいを体に付けることはとても重要なことなんです!('ω')ノ
また、他にも背中に登る理由があります!
ケープハイラックスではなく、同じハイラックス属に分類されているジョンストンハイラックスでは以下の説が考察されています('ω')ノ
①母親と子どもの絆を強くするため!
これは上でも紹介しましたが、親の背中にある臭腺のにおいを体に付けることで、母子の絆が強くなると考えられています。
②身を守るため!
ハイラックスのことを観察していると、団子状に固まっているところをよく見ると思います。子どもは母親の背中に乗ることで、他の個体に潰されずに済みます。
③体温維持のため!
特に子どもは体温が奪われやすいため、くっつきあうことで体が冷えないようにしているといわれています。
④群れの他個体から受け入れてもらうため!
このように、背中に乗ることはハイラックスにとってとても大切なこととわかりました。
最近のこがねは、おとなの上に登ることがほとんどなくなりました。
というのも、体が大きくなり、上に登る必要がなくなったと考えられます('ω')ノ
こがねの体重も1300gを超え、順調に成長しています!
大きくなったこがねに、ぜひ会いに来てください!!(*´ω`*)
【飼育展示係 矢向】