更新日:2022.08.21ピーコさん、トレーニングを始めました！
ピーコさん、トレーニングを始めました！
昨年度から当園のチンパンジー達には、ハズバンダリー・トレーニングを導入しています。
ハズバンダリー・トレーニングとは、動物達の健康管理を目的としたトレーニングの総称です。
上の写真は、檻越しに胸から腹を寄せているコウタロウ。
近年飼育下チンパンジーで問題となっている心疾患予防として、将来的にはこの姿勢を保持したまま、
心電図検査を行えるようにすることを目標としています。
さて、他の3頭に遅れること一年、最年長・推定56歳のピーコさんも、この度トレーニングを開始しました！
まずは他の3頭と同じように、「体の各部位を檻越しに寄せる、または檻から出す」
という反応形成を目標に取り組んでいます。
ちなみにこちらは、檻から手を出してもらっているところです。
このような状態を作ることで、傷のできやすい指先や、手のひら・手の甲の確認ができます。
将来的には、ウン十年かけて伸び続けた爪を切ってあげられたらなぁと考えております。
ちなみに、当園のチンパンジーの中で最も気難しいピーコさん。
身体に触れることを落ち着いて許容してくれるまでに、約2年の歳月がかかりました（涙）。
続いてこちらは、口を大きく開けてもらっているところです。
現在日本の動物園に暮らすチンパンジーの中でも上から3番目に高齢のピーコさん。
歯の状態の確認など、口腔内のチェックは今後さらに大切になる項目の一つです。
そしてこちらは、頭を檻越しに寄せてもらっているところです。
普段なかなか見ることのできない、頭や後頭部の確認に役立つ動作です。
今はまだご紹介した3つの動作しか習得していませんが、
高齢期のピーコさんにとってハズバンダリー・トレーニングはとても大切なもの。
これからもピーコさんと楽しく協力しながら安全に、トレーニングを進めて行けたらと思います！
（チンパンジー係3年生 伊原）