更新日:2016.12.27動物園オセアニア区の花
動物園オセアニア区の花
冬至を過ぎて、2016年もあますところ数日となりました。
寒さも本番を迎え、自然公園内で見られる花も、めっきり少なくなってきました。
今回は、そんな中でもがんばっているオセアニア区の植栽の中から、シコンノボタンを中心に数種ご紹介します。
シコンノボタンとは、『鮮やかな紫色の大輪花をつける野牡丹』という意味です。
ノボタン科は、花がボタンのように美しいことから名づけられたもので、たいへん大きなグループ(一説に180属、4400種とも言われます)ですが、いずれも熱帯・亜熱帯にのみ分布するので、私たちにはあまり馴染みのある植物とは言えないかもしれません。
日本国内には4属、7種が南西諸島や小笠原諸島に分布しています。
しかし、園芸的に最も親しまれているのは、なんと言ってもシコンノボタンです。
シコンノボタンはブラジル原産の常緑低木で、その名のごとく鮮やかな紫紺の大輪花(径6センチくらい)を咲かせます。
一つ一つの花は一日花ですが、夏の後半から秋おそくまで次々と咲き続けます。
ちょっと面白いのは、突き出たおしべが途中で90度折れ曲がって、その先が上のほうに湾曲している点です。
これがクモの足に似ていることから英名でスパイダーフラワーとも呼ばれます。
私にはカマキリの鎌みたいにも見えますが。
機会があれば、ぜひ近づいて花をのぞいてみてください。
熱帯産とはいえ、寒さに比較的強いので、これから地上部が枯れてもまた春には芽が出てきます。
イソギク(キク科)
伊豆や房総の海岸に自生する多年草で、アザミやハハコグサと同じく筒状花だけからなる黄色い花をカーペット状に咲かせます。
外側に花びらが並ばないところが、また野性味があっていいですね。
ジャノメエリカ(ツツジ科)
南アフリカ原産。
ピンクで、真ん中に黒い目玉模様がある小花をびっしり咲かせます。
花が少ない季節に、私たちの目を長いあいだ楽しませてくれます。
アメジストセージ(シソ科サルビア属)
北米~中南米一帯原産。
宿根性のハーブとはいえ、放っておくとかなりの大きさの小低木になります。
これも短日性植物で、紅紫色のビロードっぽい穂状花序が柔らかですね。
今年の4月にリニューアルオープンしたオセアニア区では、暖かい日差しのもとで、オオカンガルー達がのんびりとすごしています。
それまでの景観を一新し、異国風の植栽に囲まれたウォークスルーも、ちょっとした癒しの空間と好評をいただいています。
散策がてら、ぜひ金沢動物園にも足をお運びください。ご来園をお待ちしています。
※掲載時には、一部の花が終わっている可能性があります。予めご了承くださいますよう、お願いいたします。
(担当:マグノリア)