金沢動物園公式サイト

twitter facebook youtube
「園内ヤマユリ情報!」の写真

更新日:2015.06.21「園内ヤマユリ情報!」

更新日:2015.06.21

「園内ヤマユリ情報!」

今年もまた、夏の山の風物詩「ヤマユリ」が咲き始めました。

5月の気温がずっと高めに推移したためか、開花は例年よりだいぶ早めです。
ドンヨリとした梅雨空の下、そこだけパッと明るくなったような感じで凛と咲き誇っています。
あたり一面に甘―い香りがただよっていて、しばし足を止めてしまいました。


よく観察してみると、すっと直立している株はほとんど見当たりません。
細い茎が頭でっかちの花の重みを支えきれないのです。
たいていは弧を描いていますが、中にはほとんど寝そべった状態のものまであります。
せっかくの花がもったいないですねえ。

我が国は自生するユリの特産種が多いことで知られています。
江戸時代後期にシーボルトによって初めてヨーロッパに紹介されると、
その花の大きさ、高貴な香りに人々は驚嘆しました。

明治時代に入ると、ユリ根はさかんに輸出され、生糸、絹、茶に次ぐ主要農産品として、
外貨獲得にも貢献しました。
一時は、横浜港だけで、全国から輸出されるユリの総量の90%以上を扱ったこともあるそうです。


数ある花の中にちょっと変わった個体を見つけました。
ひとつ目は、赤い斑点がないものです。



逆に、花弁の中肋とふちに赤い色が集中したものもあります。
こういう特徴的な個体の実生選抜を繰り返すことによって園芸品種が生まれるのですね。



ユリ科の花は通常、単純な3数性で、花弁・がく共に3枚ずつ、計6枚ですが、8枚のものがありました。



しかし、極めつけは何といっても「帯化」ユリでしょうね。
これは、茎が平たい帯状に肥大したもので、異常に多くの花をつけます。
下の写真の株には、35個の花芽を確認しました。
帯化現象の原因には諸説ありますが、決定的なことはよくわかっていないのだそうです。


そういうヤマユリも、近年は、手入れをしないまま放置される山がふえたので、
自生地がずいぶんと減ってしまいました。

金沢動物園では、明るい林縁を回復させて、
ヤマユリが自然に増殖するよう、園内の環境管理に努めています。

ヤマユリはいよいよ見頃を迎えます。ご来園をお待ちしています。
(担当:マグノリア)