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ライオン担当者が見た、アフリカ紀行!~マサイマラ国立保護区・犬のトレーニング追跡犬編~の写真

更新日:2023.02.14ライオン担当者が見た、アフリカ紀行!~マサイマラ国立保護区・犬のトレーニング追跡犬編~

更新日:2023.02.14

ライオン担当者が見た、アフリカ紀行!~マサイマラ国立保護区・犬のトレーニング追跡犬編~

Jambo~~(「`・д・)「ガオオォ
前回のブログ:ライオン担当者が見た、アフリカ紀行!~マサイマラ国立保護区・犬のトレーニング探知犬編~

 
☆★旅スケジュール★☆
1日目■日本発
2日目■ケニア・ナイロビ着
3日目■ニャクエリの森
4日目■ニャクエリの森
5日目■移動+小学校訪問
6日目■マサイマラ国立保護区
7日目■マサイマラ国立保護区
8日目■マサイマラ国立保護区
9日目■移動
10日目■マサイマラ大学訪問
11日目■シェルドリック動物孤児院
12日目■帰国

前回の探知犬のトレーニングは関所で行いましたが、追跡犬のトレーニングは場所を移動しマサイマラ国立保護区内で行います。

追跡犬①.jpg

こちらの建物内に犬たちが暮らしています。
ライオンやヒョウなどに犬が襲われないようにしっかりとした建物が建てられています。

追跡犬②.jpg

こちらが、滝田さんとドッグユニット部隊のハンドラーの方々です。
そして追跡犬として活躍している犬たちは、

犬.jpg

犬②.jpg

こちらのブラッドハウンドという犬種!
探知犬ラブラドールレトリバーでしたが、追跡犬ブラッドハウンドです。

ラブラドールレトリバーは、一般的に人と遊ぶことが大好きで、遊びの延長線上で物を探すことが得意なので探知犬に向いています。
対して、ブラッドハウンドはニオイを追跡する能力が犬の中でもピカイチであり、粘り強く獲物を追跡する能力に長けているため、世界中で警察犬として活躍するなど追跡犬に向いているのです。

追跡犬③.jpg

追跡犬のトレーニングは、洗濯バサミとリボンにニオイを付け、そのニオイを走りながら追い続けるといったものです。
地面には、ご褒美の大好物ドックフード♫

追跡犬④.jpg

早速、滝田さんと現地のハンドラーの後ろについて私たちもチャレンジしてみます!

追跡犬⑤.jpg

ここはマサイマラ国立保護区です。
野生の動物たちがたくさんいるので、犬のトレーニングに夢中になっていると、気が付かないうちに鉢合わせして大きな事故に繋がる可能性があるので、必ずレンジャーの指示に従います。

追跡犬⑥.jpg

ちなみに私たち日本人には全く見えなかったのですが、「すぐ近くにシマウマが近付いて来ているから気を付けてね」とレンジャーの方に言われました...。
やはりケニアの方の視力は桁違いでした...。

余談ですが、「アフリカに行く際はコンタクトはどうしますか?」という質問がよくあるのでこちらでお答えしますが、私は1日使い捨てタイプのコンタクトをたくさん持って行きました。
水がなく、手を洗ったりすることも出来ないので、その方が良かったです。かなり紫外線が強く、時期によっては乾燥していて砂埃だらけなので、使い捨てタイプのコンタクト&サングラスもしくはUVカット付きのメガネをオススメします☆

さて、早速トレーニングを始めます。

追跡犬⑦.jpg

スタートの合図と共に、追跡犬はものすごい勢いで「ワン!ワン!」と低い声で吠えながら走り出します!

追跡犬⑧.jpg

マサイマラ国立保護区って、実は標高1,600m以上あるんです。
場所によってではありますが、富士山の3合目~5合目くらいなのでかなり酸素は薄く、更にこの日の気温は30度越え!
真昼間だったので、日差しも強く、かなり厳しいコンディションの中での全力疾走です。

そして、写真では分かりにくいですが、かなりの山道&舗装されていない岩だらけの中、追跡犬とハンドラーから距離をあけないよう必死に走ります!!!!!
中には転んでしまう参加者も...!それでも走り続けます。遅れをとると、ライオンなどの肉食動物に狙われてしまうこともあるので私たちも必死です...!!

追跡犬⑨.jpg

なんとか全てのニオイを捉え、ゴールです!
実際に密猟者を追跡する時は、密猟者は待ってはくれません。追い続ける必要があります。
追跡犬の能力に遅れをとらずについていける、ハンドラーの能力も必要不可欠です。

そして、実際に"密猟する"となると、昼間ではなく、夜間に行われることが多いそうです。

夜の追跡犬①.jpg

そこで、肉食動物のあまり来ないエリアで、特別にハンドラーと追跡犬の夜間のトレーニングにも参加させていただきました。(一般の観光客は危険なので禁止されています)

夜の追跡犬②.jpg

完全に全ての明かりを消した状態で行うので、撮影出来ませんでした。
本当に足元も全く見えないような暗闇の中、昼間と同じように追跡犬について全速力で走り、貴重な夜間のトレーニングも経験させていただくことが出来ました。

夜の追跡犬③.jpg

このように、密猟を減らすための活動を現地で実際に体験させてもらうことで改めて"野生動物の保全"を考えることが出来ました。

しかし、この密猟に関する問題はとても複雑な問題が絡み合っています。
"密猟は悪いことだ"とただ思うだけではなく、"何故密猟をするのか?"とぜひ考えてみてください。
この問題には社会問題などの様々な要因があり、"密猟する人だけが全て悪い"訳ではありません。密猟をしたくなくても、しなくてはならない理由があるかもしれません。

このアフリカ紀行ブログを通して、皆さまが色々な視点から野生動物保全について考えるキッカケになれたら嬉しく思います。

飼育展示係 鈴木(由)