更新日:2020.08.30色々お試し中
色々お試し中
みなさま、こんにちは!
今日は悩ましいキリンの床材のお話です。
ズーラシアのキリンたちは、夜間このように座って休んでいることが多いです。
キリンたちは体が大きいためコンクリートに直接座ると四肢への負担が大きくなってしまいます。
そこで大切なのが床材で、私達でいうとお布団のような役割をしています。
ズーラシアでキリンの飼育を開始したころは床材にワラを使っていたこともありましたが、現在はおが粉を使用しています。
おが粉のいいところは安価で床をふかふかにできること。
厚く敷くことができるので滑り止めや冬場の防寒の役割もあります。
しかし、ホコリが舞いやすいことと蹄を削る効果はないことから他の園館さんのキリン舎を色々見学させていただき、砂を使ってみたいと思い始め最近砂を試しています。
(飼育下のキリンは野生のキリンより運動量が少ないので、自然に蹄が削れにくく伸びすぎてしまいやすいのです。)
ただ砂も色々と悩ましい点があり、おが粉よりコストがかかります。
そして、汚れた砂は普通ごみとして出せないというデメリットもあります。
おが粉は普通ごみとして毎日捨てることができるのですが...
また、おが粉も砂も共にワラよりもホコリが舞いやすい、扉のレールに詰まってしまいやすいなど悩みもあります。
それぞれに、いいところも、悪いところもあるので床材選びは難しいですね。
さらに砂には色々種類があって、これまた悩みます。浄水場からいただいた砂購入したクッション砂
粒の大きさも色々・・・
細かすぎては蹄を削る効果は薄そうだし、かといって大きいものは座り心地が悪そうだし...悩みどころです。
また水はけも考慮する必要があります。
そしておが粉も以前とは違うものを使用し始めました。
キリン舎は広いので、一気に全部変えてしまうと再び変更するのは大変になってしまうため、しばらくは少しずつ色々試していく予定です。
そしてキリンの座る様子や、尿の乾きやすさ、掃除などの作業面、ホコリの舞い具合など総合的に見て適切だと思える床材を探していきたいと思っています。
床材の良し悪しはキリン舎のつくりや地域によって手に入れやすいなど違う、ズーラシアのキリンたちにとってより良い環境を与えることができるようにしていきたいと思います。
あ、床材の話ばかりになってしまったのでキリンたちがあまり登場しなくてすみません。
最後にこちらは展示場に入れた火山礫(かざんれき)の上に座って休むカルメンです。↓火山礫はざらざらしていてキリンの蹄を適度に削る効果があると考えられていますが、踏み固められてしまうとカチカチになってしまうため、室内には向いていないかなと思っています。
草原エリアでは一部だけですが、キリンたちがよくいる場所に使用していますよ。
それでは!
飼育展示係 宮本