更新日:2025.12.30コブヘイ30歳になりました!
コブヘイ30歳になりました!
チンパンジーのコブヘイは12月30日、30歳になりました。コブヘイ、おめでとう!!
2021年、私がチンパンジーの代番者として初めましての頃、毎日毎日何度も何度も水をかけられ、鉄の扉や格子をたたき大きな音を出し脅すような態度で、なかなか手厳しかったコブヘイ。「人工哺育で甘えん坊。メスよりもオスのチンパンジーの方が裏表がない。」という前評判とは裏腹に、私の存在を許してもらうまで一番時間がかかりました。正直、2021年のチンパンジーメンバーの中で一番怖かった...
(↑そんな風には見えない2021年当時のコブヘイ)
そんなコブヘイでしたが、今ではそんなことはお互い忘れてたね、というくらい普通に接してくれます。朝の挨拶もハズバンダリートレーニングも穏やかに応対してくれます。
↑朝のトレーニングの様子。トレーニングは手、足、お尻、口などの号令でその部位を見せてもらったり、触れたりします。写真は肩を出してもらい、注射器を押し当てている所です。※現段階では、針は本物ではなく、この注射器の中につまようじを仕込んでいます。今後、本物の針に変えて実施していきます。
そして、この写真、右に写っている職員は現在の代番者。4月から新しく変わった代番者もすでにトレーニング可能です!
↑こちらは大きなシリンジからとある液体を飲んでいます。薬の経口投与を目指したトレーニングで、この時は電解質補給液を飲んでいます。
そして、こちらはアニマルペアレントのみなさんからいただいた寄付で2024年に作製した"採血を行うための装置"を用いたトレーニングです。
この装置に腕を通し、バーをつかむことができるようになりました。バーをぎゅっと握った状態で、上腕付近の空いた隙間から採血が可能になることを目指しています。
...というように、様々なトレーニングにも協力的なコブヘイ。力強い雄らしく、誰よりも痛みにも強そうです。チンパンジーファミリーの中で一番に採血や注射も可能になるかもしれません。
そして、コブヘイは一家のお父さん、大黒柱です。
↑上段手前がコブヘイ。
群れの前で何かが起こると(誰かが来ると)大きな音と声で大騒ぎします。異変から一家を守るため、自分の強さをアピールするチンパンジーのオス特有の"ディスプレイ"はかなりの迫力があります。
そんなコブヘイもお父さんらしく、こどもたちと遊んであげていることがあります。写真がなくて残念なのですが、コウタロウがもう少し小さかったころ、人間がする「お馬さんごっこ」のようにコブヘイがコウタロウを背中に乗せて走り回っているのを見たことがあります。
いまだに追いかけっこもします。
また、こちら↓は夏の給餌エンリッチメントとして"フルーツアイスバー"を与えた時の様子です。
もっと欲しそうなコハルにバーをなめさせてあげている、そんな優しい面もあります。
夕餌の長ネギを食べるコブヘイ。一家の中では一人だけ律儀にネギの一番外側の皮をはがして食べます。
何かを見つめるコブヘイ。コブヘイは遠くても一瞬でも本当によくいろいろ物や人に気が付くので、頻繁にこんな様子が見られます。そんなとき、「何見てるのー?」と聞いても知らんぷりで、ずっとその何かを見つめています。
野毛山動物園に来て24年目を迎えるコブヘイ。これからも私たちと一緒にみらいを見つめていこうね!
さて、みなさま、どうしても筆不精な担当ですが、2025年もお世話になりました。
来年も野毛山動物園のチンパンジー一家をよろしくお願いいたします。
2026年はもう少し筆まめになりたいチンパンジー担当