
更新日:2025.09.23園内で保全活動~ヤマアカガエルの産卵場所をめざして~
園内で保全活動~ヤマアカガエルの産卵場所をめざして~
金沢動物園内で行っている身近な生き物の保全活動について、報告をします♪
かなり時をさかのぼりますが、8月17日(日)ナイト金沢ZOOが開催日の暗くなる前、
職員がアフリカ区バックヤードの建物の裏に集まっていました。
ここは6月に実施した「横浜市緑の協会保全研修」に集まった協会職員で作った水場がある場所です。
金沢動物園では動物園入口にあるこちらの人工池でヤマアカガエルが繁殖しています。
池で泳ぐヤマアカガエルのオタマジャクシ(5月撮影)
https://www.youtube.com/watch?v=udXrpPsbVQo
しかし、産卵場として利用できる水場は足りていないのではないか?ということがこれまでの調査でわかってきたため、
研修での実習としてヤマアカガエルの産卵場となることを目指して、この水場を作りました。
穴掘って、一から池を作るのは大変なので・・・
斜面の土を削り・・・・
プラ船を置きます。
研修の参加者のマンパワーもあり、1時間もかからず5つの水場が出来上がりました。
水はためずに自然の雨がたまるのを待つことに・・・
10日後
3週間後
1か月半後
そして、2カ月ほどたった今回。
落ち葉が蓄積し、水がだいぶ黒くなってきたぞということで、水質改善と生き物の利用を調査するため、
このビオトープの「かいぼり」をすることになったわけです。
池の中をあみで落ち葉ごとすくって外へ出し、
落ち葉を掻きわけて生き物を探します。
見つけた生き物を容器に入れて、同定(どうてい:種を確認すること)とカウントをします


今回のかいぼりでは、キベリヒラタガムシとその幼虫、ヤブヤンマのヤゴ、ハナアブの仲間の幼虫、カの仲間の幼虫、ユスリカの仲間の幼虫が確認できました。
「森林に囲まれた浅い水場を繁殖場として利用するキベリヒラタガムシとヤブヤンマがちゃんと繁殖していて、いい感じだ♪」と記録している職員。
何気なくいるこんなにも小さな生き物を確認することが、環境を見ることにつながっていくんだな~ととても勉強になりました。
ホースで水を入れているとキイロスズメバチが水を飲みにやってきました。蜂にとっても良い水飲み場になっているようです。
人間にとって時として危険な生物も森の生物多様性を支えています。

ヤブヤンマ

水を飲みに来たキイロスズメバチ
オオシオカラトンボやドロバチのビオトープの利用も確認できています。
この「かいぼり」で各種水生の幼虫が見られ、作ったビオトープが繁殖場になっていることが確認できました✨
目標であるヤマアカガエル産卵場へとつながるのか?!これからも保全活動は続きます。
またこちらで経過をお伝えしていきますので、次回をお楽しみに...
(飛び出せ広報 さ )