更新日:2021.10.09で~んでん、む~しむし、カタツムリ~♪
で~んでん、む~しむし、カタツムリ~♪
身近ないきものの代表的な生き物、カタツムリ。
みなさんも、一度は見たことがあると思います。
身近ないきもの館にも、もちろん、カタツムリを展示していますよ。
童謡の「かたつむり」の歌も、一度は聞いたこと、ありますよね?
では、みなさんに問題です。
「かたつむり」の歌詞で、「ツノ出せ、槍(やり)出せ、目玉出せ」という歌詞がありますが、ツノと槍(やり)と目玉がどこにあるか、わかりますか?
え~っと、自信ないですが、目玉はわかります。ツノは・・・ちょっとわかりにくいですね。
槍(やり)は・・・。槍(やり)? 槍(やり)、持ってます?
ちょっと、私ではわからないので、担当さんに詳しく説明してもらいましょう。
お願いしま~す。
担当さんです。童謡「かたつむり」、作詞、作曲は「文部省唱歌」とされていて誰が作った歌なのか詳しいことはわかりません。でも、とてもよくカタツムリを観察したんじゃないかなと思います。
カタツムリの顔はこんな感じ。たぶん、ツノは触角(しょっかく)のことだと思います。
短い2本が小触角で、エサを探すのに使います。長い2本が大触角で、この先に目があります。「目玉出せ」なんてすごい無茶ぶりだと思いますが、カタツムリならびよーんと目玉を出せちゃうんですね。
ツノと目玉は、なんとなくわかると思いますが、槍(やり)を知っている人は少ないかもしれません。
これが槍(やり)。恋矢(れんし)と言って繁殖のために使います。
恋の矢だなんて、とてもロマンチックですね。名前は素敵ですが、使い方はまさに矢や槍(やり)そのもの。首のあたりから出てきて、相手をぶすりと刺します。
一回だけ刺す、何度も刺すなど、種類によって刺し方が異なるそうです。
恋矢についている粘液には精子の分解や、他の相手との交尾を妨げる効果があるそうです。
刺されたほうは寿命が短くなるという研究結果もあり、カタツムリはとても興味深い繁殖戦略を持っているようです。
ちなみに、目玉も槍(やり)も出せないカタツムリもいます。
こちらはアオミオカタニシ。沖縄などにすんでいます。
触角の付け根の黒いのが目で、こちらの目玉はちゃんと顔の中に納まっています。
また、槍(やり)は雌雄同体の種類の一部が持っているので、雌雄別々のアオミオカタニシは槍(やり)も持っていません。
ツノ(触角)は出るけれど、槍(やり)と目玉は強要しないでくださいね。
いきもの館では赤ちゃんカタツムリが誕生しています(右側)。左の白いのは卵。
槍(やり)で突き刺し、突き刺されて卵を産み、生まれてきた赤ちゃんだと思うと感慨深いですね。
童謡の話からだいぶ遠ざかってしまいましたが、おとなしそうな見た目と裏腹な過激な繁殖行動。これもカタツムリの面白さだと思います。
ギャップ萌えって言うんですかね。
飼育展示係 佐藤、先崎