
更新日:2025.07.03カンガルーブログ 夏季のウォークスルー通行時間について
更新日:2025.07.03
カンガルーブログ 夏季のウォークスルー通行時間について
今回はウォークスルーの通行時間についてのご報告です。
今年度より、オオカンガルーのウォークスルー通行時間を通年10:00~14:00としました。
紆余曲折をご説明します。
2023年春、カンガルーの動物福祉向上のためウォークスルーの通行時間を短縮させていただきました(通行時間10:00~14:00の4時間)。また、7~9月は暑さ対策として、昼に休憩を挟む夏バージョン(通行時間10:00~12:30/14:00~15:30の計4時間)としてみました。
ウォークスルーの閉鎖時間を長くしたことの目的としては、大きく3つ。
- 全ての個体が自由に滞在場所を選択することが出来るように
- 広い範囲を自由に動けるため、夕方は園路側にある起伏や長距離の跳躍できる。来園者の皆さんは園路から安全にカンガルーの身体能力を観察でき、カンガルーは一定の運動量を担保出来るように
- 滞在場所が分散されて展示場の裸地化を予防、でした。
この時間変更の際、日本大学 生物資源科学部 金澤朋子助教に協力を仰ぎ共同研究として、1年間カンガルーの個体ごとの行動調査を行っていました。
その結果、夏季に休憩時間を挟んでみたものの、単発の自由時間(12:30~14:00と15:30~16:30)では園路側に移動していく個体が少ない傾向にあり、休憩時間を設けても狙っていた効果がないことが分かりました。園路側に行く個体が少ないということは、広い展示場が活かせず、せっかく園路側にある大きなプールで涼む機会も減ってしまいます...。
そこで、今年度からは、1年通して通行時間をまとめることとしました。なお、今年も引き続き行動調査を行い、時間変更の効果を確認していきたいと思います。
最近の傾向としては、13:30頃からじりじりと通路際に集まり出し、14:00にウォークスルーを閉鎖すると、通路を越えて園路側へと移動していく様子が見られています。
日中はウォークスルーの中でゆったりと過ごす様子じっくりと、14:00以降は採食や跳躍など活発に過ごす様子を観察できる、時間によって2WAY仕様の展示になるとご理解いただけますと幸いです。
(しばた)