更新日:2026.02.022月2日は世界湿地の日
2月2日は世界湿地の日
2月2日はラムサール条約(特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)が制定された日、すなわち「世界湿地の日」です!
世界湿地の日については、去年のブログでも紹介させていただきました。
(去年のブログはこちら:世界湿地の日!)
去年は湿地そのものをメインに紹介しましたが、今年はラムサール条約に登録されている国内の湿地を利用している鳥を中心に紹介したいと思います。
(写真は撮るのがとても上手な職員の方にも協力していただきました)
まずは釧路湿原です。釧路湿原は国内で初めてラムサール条約に登録され、また国内最大の広さを持った湿地です。ここは絶滅したと考えられていたタンチョウが1924年に再発見された場所です。釧路湿原はタンチョウの餌場としても、繁殖地としても活用されている場所で、タンチョウにとって大切な場所になります。
タンチョウ

北海道は釧路湿原以外にも、ラムサール条約に登録されている湿地がたくさんあります。野付半島や風連湖・春国岱、阿寒湖など、北海道だけでも計13個のラムサール条約登録湿地があるのです。こうした湿地でも実にたくさんの鳥類が生活をしています。
オジロワシ

コクガンの群れ

シロカモメ

ガンの飛来地としても有名なのが宮城県に位置する伊豆沼・内沼、化女沼、蕪栗沼とその周辺の水田です。ここは冬になるとマガン・シジュウカラガン・ヒシクイ・ハクガンなど様々なガン類が越冬地として利用します。
マガン

シジュウカラガン

ヒシクイ

ハクガン

伊豆沼や内沼、化女沼、蕪栗沼はこうしたガン類の重要なねぐらとなっていて、日の出の時間になると一斉に餌場である水田へと飛び立つねぐら立ちの様子を観察することができます。数万羽ものガン類が一斉に飛び立つこの光景は本当に圧巻です。

ラムサール条約登録湿地は、関東にもいくつかあります。
茨城県には涸沼や渡良瀬遊水地があり、栃木県では奥日光の湿原が登録されています。そして、東京都には葛西臨海公園、千葉県には谷津干潟があります。
葛西臨海公園にはクロツラヘラサギなどの希少な鳥も越冬にやってきます。
クロツラヘラサギ

谷津干潟は習志野市街地内に位置している場所ですが、多くのシギ・チドリ類やカモメ類、カモ類が利用している貴重な場所になっています。
国内のラムサール条約登録湿地は、2025年7月時点で計54か所あります。今回紹介した湿地はほんの一部で、紹介した鳥類もほんの一部です。湿地は多様な鳥類が暮らす場所としてとても大切であることがわかっていただけたかと思います。そして、鳥類たちを支える植物、動物も多様に存在しています。湿地は生物多様性の宝庫で、世界の動植物の40%が湿地に生息・生育していると言われています。
釧路湿原

湿地は私たち人間にとっても欠かせない大切な場所です。食料やきれいな水の提供、自然災害からの防護、気候変動への適応など、私たちの生活に直結する多くの恩恵をもたらしてくれています。
しかし、多くの生物と人間の生活を支えてくれている湿地は、近年どんどん失われつつあります。その原因の多くは、都市化や農業拡大による湿地の開発、工業廃水や農薬の流入による水質悪化、気候変動による水位の変化など、私たち人間の活動によるものも少なくありません。
野付半島

生物多様性と人間の生活を守るためには、ラムサール条約の3つの柱である「保全・再生」と「湿地の賢明な利用」、そしてこれらを促進するための「交流・学習」が重要になります。
世界湿地の日を通して、皆さまにも湿地の重要性について知っていただく機会になりましたら幸いです!
飼育展示係 田中