
更新日:2020.04.16#家にいよう
#家にいよう
最近よく目にする言葉です。いままで#のことシャープだと思っていたらハッシュタグって言うんですね。
時代に取り残されています。故郷にそんな言葉ありません(東京出身ですけど)。
さて、本題。この#家にいようという言葉を目にした時、ふとある動物達のことを思い出しました。
その動物はこちら、マダガスカル原産のホウシャガメとヘサキリクガメです。
ヘサキリクガメ
ホウシャガメ
なぜ、この動物達のことを思いだしたかというと、この個体達正規ルートで日本に輸入されていないからです。
別に僕が、ポケットにいれてマダガスカルから連れてきたわけではありません。
どのような方法で日本に来たのかはわかりません。というより、題名からは外れますが、いつどこで生れたかもわかりません。いままでどうゆう風に飼われていたかもわかりません。縁があって、現在は野毛山動物園にいます。
動物園で働く身として動物達の移動は幾度となく見てきました。このご時世だいたいの動物は動物園生れなので、過去の飼育状況云々は引き継いでもらえます。稀に野生から来た個体でも、どこで採取したのか、どのような経路をたどって動物園まで来たのか調べる術はいくらでもあります。
ただこの個体達は、来歴がまったくわかりません。
来歴が分からない以上個体に合わせた飼育方法を見つけるのに前任者もだいぶ時間と労力をかけました。
ましては、保護時の状態が著しく悪く命を落とす個体も多くいました。
今では、野毛山で繁殖にいたるまでになりました。
ホウシャガメの孵化個体
ヘサキリクガメの孵化個体
なにかの縁があって、今野毛山動物園にいて、なにかの縁があって、今僕が世話をしています。
人の考え方に違いがあるのは当然ですし、それを否定することもしません。それが個性だと思います、それが生き物だと思います。ただ、この個体達を、祖先を含めて日本につれてきた人のことを理解するのは一生僕には無理だと思います。
#家にいよう
この個体たちの故郷と呼べるところはどこにあるのでしょうか。
飼育展示係 大滝