更新日:2022.05.07「見守って、野鳥の巣立ち雛」
更新日:2022.05.07
「見守って、野鳥の巣立ち雛」
先日カモシカの獣舎を掃除していたところ施設の隅で、巣立ったばかりのエナガの雛を発見しました。
春は多くの鳥にとって繁殖のシーズンなので、この時期は色々な所で子育て中の親鳥や、巣立ったばかりの雛たちを見かけます。
「巣立ち雛」と言われる巣立ったばかりの雛鳥たちは、体の大きさこそ親鳥と同じくらいになっていますが、まだまだ飛行も上手ではなく、動きもぎこちなく見えます。
この時期は動物園にも、「巣立ち雛を保護したのですが・・・」という趣旨の問い合わせが多く寄せられますが、巣立ち雛を拾う前に、思い出してほしいことがあります。
巣立ち雛は親鳥だったら飛んで逃げるような距離まで人が近づいても逃げない場合がありますが、だからと言って怪我をしているとは限りません。
まだ飛行がうまくないため地面にいる事が多く、「外敵に襲われるかも・・・」などと心配になってしまいますが、雛の周りには親鳥がいる場合も多く、人がいるせいで親鳥が雛に近づけない場合や、人が良かれと思って保護した結果、親と引き離されてしまう場合もあります。
ですから、心配な気持ちをグッとこらえて、雛に触らずにその場を立ち去り、遠くから見守ってあげてください。厳しい様にも感じますが、野鳥の子育てにご協力下さい。
※令和4年5月7日現在は高病原性鳥インフルエンザの国内感染状況が続いていることから、横浜市立動物園での傷病鳥の保護は受け入れを中止しております。
「カモシカ舎で見つけたエナガの巣立ち雛」
発見から2時間ほど経ってから確認したところ、いなくなっていました。
襲われた様子もないため、自力で飛び去ったのだと思います。
飼育展示係 須藤一行