寅はどこ？

今年は寅年。
せっかくだからトラを見ようと野毛山動物園に
お出かけの方も多いのではないのでしょうか。
ところが野毛山動物園にいたスマトラトラの"ミンピ"は
すでにお知らせしたように、2020年11月24日に上野動物園に旅立ってしまい
未だにトラは不在のままとなっています（トラ出園の記事はこちらをクリック）。



では何故野毛山動物園のトラ、ミンピは上野動物園に行ってしまったのでしょう。
皆さんもよくご存じのように、トラは絶滅危惧種。
このまま放っておけばこの地球上からすぐにいなくなってしまう恐れがあるのです。
なかでもスマトラ島にのみ生息するスマトラトラは、
野生では300～400頭あるいはそれ以下ともいわれています。
飼育下でのスマトラトラの個体数の増加のためには、繁殖は待ったなしの状況です。
日本でもスマトラトラ飼育園館での新たなペアリングやペアの組み換えなどを積極的に行っています。




ミンピは繁殖適齢期の将来有望なメス。
上野動物園でのペアリングが上手くいき繁殖すれば、
日本のスマトラトラにとっては、願ってもないことなのです。
野毛山動物園も、その狭さゆえに直接繁殖に関わることはできませんが
少しでも"種の保存"の役に立てれば本望と言えるのではないでしょうか。
近い将来、再び展示できることを楽しみに待ちたいところです。
トラがいないこと、どうかご理解いただければと思います。



（飼育展示係　田島）

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