更新日:2024.05.13ミヤコカナヘビはじめました
ミヤコカナヘビはじめました
2024年5月8日
ミヤコカナヘビの展示を開始しました。
実際飼育を開始したのは2021年からでしたが、飼育個体の状況、なんやかんやと大人の事情で展示が先延ばしになっておりました。
展示までに時間がかかりとても歯がゆかったです。
展示場には飼育個体はいるけどずっと目張りしていたり・・・
昨年の年末に宮古島で会議があって参加した際もただ遊びに行くだけだろうと後ろ指差されたり・・・
現地で撮影した写真は大人の事情でほぼ使えなかったり・・・
時間は経ちましたがようやく展示出来てよかった。
さて、ミヤコカナヘビについてですが、
1996年に新種登録された動物になります。1996年に新発見されたわけではなく、従来は沖縄本島に生息するアオカナヘビと同種と考えられていましたが、独立して新種登録されました。
1970年代までは庭先や塀の上なんかでもよく見られる、地元の人にとってその辺りにいる身近な種だったそうですが、近年は開発や農薬による生息地の破壊。外来種(イタチ、インドクジャク等)による捕食。ペット目的での採集・乱獲。
これらのことにより、生息数は激減していき、今ではみる機会が少なくなっているそうです。
また、県の天然記念物に指定されているため、綺麗だからといって無暗に捕まえたら警察のお世話にもなります。
ミヤコカナヘビに限らず昔はたくさんいたけど、最近みかけなくなったという動物って割と多くいませんか?
昔はその辺りの木を揺すれば色々な生き物がわさわさと落ちてきましたが、今は木を揺すっても枯れ枝しか落ちてきません。
園内で見られる動物も10年前に比べて減ってきているように感じます。
絶滅危惧種ははじめから絶滅危惧種なわけではありません。
昔はどこにでもいるような普通種が少しずつ色々な減少要因が絡まって気づいたら絶滅危惧種になっていきます。
保全についても難しく考える必要はありません。その動物たちやそれを取り巻く環境を少しずつでも知ることから保全は始まっていきます。
ミヤコカナヘビの展示を通して、昔その辺りにいた身近な生き物たちについて、今もその辺りにいる身近な生き物たちについて少しでも考えるきっかけになってほしいと思います。
飼育展示係 大滝