更新日:2026.01.22第4回 ウマの小話「ウマの体①(蹄と肢)」
第4回 ウマの小話「ウマの体①(蹄と肢)」
前回のブログ:第3回 ウマの小話「野生のウマは世界に〇種類?」
今回は、ウマの特徴的な体の部分である、蹄と肢についてです。
<蹄>
ウマの足音というと「パカパカ」という擬音が思い浮かびますが、ウシの足音はどうでしょうか?難しいですよね。
ウマの足音が響くのは、彼らの指が一本かつ蹄(爪が硬い角質に変化したもの)だからです(ウシは2本。副蹄を加えると4本)。
かつてウマの祖先は中型犬くらいの大きさで森の中に棲んでおり、指も5本ありました。その後、氷河期になり森が草原に変わると、彼らは走って肉食獣から逃げるようになりました。走りに特化して進化していくならば、指を5本、4本、3本、1本と減らして力を集中させていったほうが、走るためのエネルギー効率が良くなります。そのため、ウマは中指以外の指を退化させました。ただし、前肢の内側に親指の痕跡が残っており、セミがついているように見えることから「附蝉(ふぜん)」と呼ばれたり、ウマが暗闇でも上手に歩けるのは肢に目がついているのではないかと昔の人は考えて「夜目」とも呼ばれています。
モウコノウマの蹄
肢の内側に見える黒い突起物が「附蝉(夜目)」
<肢>
ウマを始めとする多くの草食動物の肢は肉食獣に比べて一般的に長いですが、これは食べ物が深く関係しています。
肉食獣の食べる肉類は消化がしやすいため、消化管は短くできています。一方、草食獣は反芻動物(ウシやキリンなど)や後腸発酵動物(ウマなど)のいずれも消化しづらい木の葉や草を食べています。そのため消化管は非常に長く、消化管内に長時間消化中の食べ物を大量に滞留させています。
肉食獣の消化管は軽いため、肢だけではなく背骨を柔軟に曲げ伸ばしすることで速く走ることができます。一方、肉食獣から狙われる草食獣の背骨は、重い消化管を支えるために丈夫にできており、柔軟性もそれほどありません。そのため、肉食獣から追われたときに早く走れるよう肢が長くなるよう進化したと考えられています。
肢が短い肉食獣のドール
肢が長い草食獣のモウコノウマ
次回、第5回ウマの小話は「ウマの体②(目・鼻)」です。
<モウコノウマ担当>