更新日:2021.09.01暑さ対策のその後
暑さ対策のその後
以前ブログでお知らせした《展示時間中の展示場〜サブパドック/寝室の開放》を始めた後の、カンガルーたちの様子です。
まずはオスたち。放飼直後はまず展示場をチェックし、牧草や野草を食べ、たまに水飲み場で水浴びもしつつ、日陰で暑さを凌ぎます。
11時頃、寝室とサブパドックの掃除が終わり、展示場とサブパドックの間の扉を開けると、
わらわらと集まってきます。動物園の動物は『扉の音=寝室に帰ってご飯が食べられる』と覚えている個体が多く、扉の音に誘われてついつい一旦帰ってきます。帰ってきて寝室を覗き『まだ餌が貰える訳ではないようだ...』という個体は再び展示場へ出ていきます。『ラッキー!今日はもう外にはいきませーん!』という個体は、そのまま寝室でくつろぎ始めます。
気温が30度以上になると大半の個体は寝室まで帰ってきますが、いつも1〜2頭外の日陰で爆睡している個体がいます。本人は大丈夫なのかもしれませんが、倒れているのではないかと毎回ドキドキさせられます。
さて、メスの方はというと、ウォークスルー展示場はオスの展示場よりは日陰が充実しているので、熱中症警戒アラートが出るような日に保険としてサブパドックを開放することにしました。こちらは最も気温が上がる昼頃の少し前、12時頃から開け始めます。
オス同様、扉の音で一度サブパドックまで戻って来ますが、寝室へ帰れないと分かると1頭2頭と元の場所へ戻っていきます。その後段々と気温が上がるにつれて、群れの半数ほどがサブパドックを利用するようです。担当者としては過保護になりがちで、どうにかサブパドックの日陰へ入ってもらおうと、ついつい餌を使って誘導してしまいます。
この猛暑の中体調を崩さないか心配していましたが、サブ開放の効果なのか?今週実施した体重測定では、概ね先月とほぼ変わらない値でした。一安心!若者たちの中には体重が増加した個体もいました。
(オスの体重測定も、メスと同じ方法で行います。)
減少が見られた個体も数頭いましたが、1kg前後の減少なので、メスは約20~30kg・オスは30~60kgのオオカンガルーとしては誤差の範囲と言えるでしょう。
今年の夏はこのような感じで乗り越えていきたいと思いますので、あともう少しの間、引き続きご理解いただけると嬉しいです。このまま夏を乗り切れば、涼しい秋がやってきます。暑さが和らぐ頃、気の緩みが出るのか高齢個体は調子を崩しやすくなるので、まだまだ気の抜けない日々が続きます。
(しばた)