更新日:2026.03.27群れで暮らすこと
群れで暮らすこと
オオツノヒツジは群れで生活する生き物です。
金沢動物園のオオツノヒツジたちも群れを形成しています。しかし、治療やペアリングなど様々な理由から一時的に群れを離れることもあります。
今回は、少しの期間群れを離れていた「ソラ」の再合流をお届けします!
群れの関係性は常に移り変わっていくものです。
元々、一緒に生活していた同士でも少し離れると群れに戻る際には、再度、個体との関係構築が必要です。
まずは、ソラとよく一緒いた個体を対面させます。それから徐々に他の個体も混ぜていきます。基本的に、ソラより年下の個体とソラが争うことはほとんどありません。さらりと対面して終わります。
しかし、ソラより年上のコハルやノゾミやザビコとは、目が合った瞬間!角突きが勃発...!


今回は、ノゾミと一番闘争が見られました。
ザビコは最年長でかなりおばあちゃんですが、ソラを一突きで負かしていました...。

(顔合わせ中に、担当者の後ろに身を隠すソラ)
ザビコほど圧倒的でないと勝ち負けがあったのか、飽きたのかの区別は難しいですが、彼らのタイミングでやめる時はやめるし、角突きが長期的になることもあります。
ザビコの強さは圧倒的のようで、ザビコが匂いを嗅ぎにくるとソラはビシッと固まります...。(笑)

(左:ソラ 右:ザビコ)
しばらくは屋内展示場で顔合わせをして落ち着いてきたら、展示場で顔合わせをします。
屋内展示場で落ち着いているならもう大丈夫では?と思う方もいるかもしれませんが、実は環境が変わるとまた状況が変わることがあります。
そのため、二段階に分けて馴致を行っています。
顔合わせをする際は、屋内展示場でも展示場でも必ず顔を合わせる空間に先にソラ(群れに戻る個体)にいてもらうようにしています。
これは力の強いものがいつも有利ななわばりを占めているかというと必ずしもそうではなく、先にその場所を占めているものは心理的に優位に立ち、後から来た個体がたとえ強力であっても追い払うことがあるためです。
どんなに強い個体でも久しぶりに群れに戻るときの立場は弱くなっています。この方法が、どのぐらい影響しているかはわかりませんが、少しでも群れに早く戻れるように工夫をしています。

展示場でもノゾミとの闘争がかなり見られました。

角突きをするだけでなく、ソラの匂いを嗅いで様子をうかがうこともあります。


オオツノヒツジは基本的には1体1で角突きすることが多く、他の個体は、遠目に見て気にする個体もいれば、全く気にしない個体もいたり様々です。
しかし、最年長のザビコは他の個体と違って仲裁に入っているように見えました。
最初は、加勢しているのか?と思っていたのですが...ノゾミがソラを攻撃しに行くと間に入って仲裁しているようでした。実際にそうなのかはわかりませんが。
ザビコが入るとノゾミの勢いがなくなり、ソラはザビコの方が上だと認識しているので離れていきます。

その後、徐々にノゾミの攻撃頻度も減り、ソラも群れ内での良い距離感をまた見つけることができたようです。
数日顔合わせを繰り返し、闘争が見られなくなれば群れ合流完了です!!

群れで暮らしているとたまには争いも起こるけど、お互いが許容しながら受け入れていくことが大切ですね。
皆さんも新年度から、環境が変わる方も多くいると思います。オオツノヒツジの群れ合流でないですが...皆さんの新生活も実りのあるものになりますように。
少し長くなってしまいましたが、オオツノヒツジの群れ合流でした!

佐藤