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フジノスケ、危うし!!の写真

更新日:2021.09.17フジノスケ、危うし!!

更新日:2021.09.17

フジノスケ、危うし!!

最近は穏やかに過ごしていたオスたちでしたが、ある朝、不穏な空気が漂いました。

いつもはエサを準備すると、スムーズに展示場に出かけていくのに、フジノスケとジュタロウ、マンサクが獣舎の前で一触即発の状態でにらみ合っています。

フジ&マン&ジュタ.jpg

(手前からフジノスケ、マンサク、ジュタロウ。微妙な空気が流れています。)

 

なんとか、展示場に出ていきましたが、不穏な空気はこちらにも伝わるほど、オスたちは何となく落ち着きません。しばらくすると、「ゴ~ン!!」と大きなツノ突きの音。様子を見に行くと、フジノスケが、ジュタロウとマンサクに追いかけられています。その後も、何度も追いかけられるフジノスケ。これは、ヨッチャンがリーダーの座を奪われた状況を思い起こさせられます。(リーダー交代の様子は、過去のブログをごご覧ください) リーダー交代の巻!その2

フジノスケは、群れのナンバー2のオスですが、リーダーのジュタロウと比べ、力の差はあまりありません。マンサクは群れのナンバー3で、最近メキメキと成長し、たくましくなってきました。ジュタロウもリーダーの座が安泰というわけではないのです。フジノスケは8歳。群れの中では最年長ですが、オオツノヒツジとしては、まだまだ現役世代です。しかし、若いオスばかりのオス群れ。いつ襲われても不思議ではありません。群れからフジノスケを隔離してしまえば、フジノスケは襲われることはなくなります。しかし、一度群れから離してしまうと、群れに戻した際に、また襲われて最悪の事態になる恐れがあります。なんとか群れから離脱せず、この騒動が収まるようにと願いながら、その日の夕方、オスたちを獣舎に収容しました。

 

次の日の朝、フジノスケを含めたオスたちは、獣舎内でのんびりと座っていました。どうやら、最悪の事態は回避したようです。獣舎から展示場への出勤も、小競り合いなどもなく出かけていきました。展示場に出てからも、追いかけたりツノ突きはありませんが、ひとつ変わったことがありました。

 

今までは、岩山のてっぺんはフジノスケの定位置でした。

ジュタ&フジ.jpg

(てっぺんにいるのがフジノスケ。立っているのがジュタロウです。)

 

それが、てっぺんに座っているのが、フジノスケではなく、ジュタロウになっていました。

ジュタロウ制覇!.jpg

(「てっぺんは、俺が座るの!」と、てっぺんに座るジュタロウ。立っているのはマンサクです。)

 

フジノスケは、いつもの定位置をジュタロウに奪われてしまいましたが、昨日のこともあってか、ジュタロウに向かっていくことはありません。てっぺんから数段降りた階段のところで、ジーっとてっぺんに座れないか様子をうかがっています。

「俺の場所なのに~!!」.jpg

(「そこは、俺の場所なのに~!!」階段の所から、ジュタロウのいるてっぺんを見るフジノスケ。)

 

ジュタロウが、のんびりくつろぎはじめました。てっぺんの開いているスペースに、そーっと近づくフジノスケ。ジュタロウが何も反応しないので、そっと隣に座りました。残念ながら、そのあと、ジュタロウから威嚇されて、その場を奪われていましたが。

フジノスケこっそり接近中.jpg

(「おじゃましま~す・・・。」控えめにフジノスケ登場。)

 

こっそり座る準備.jpg

(「この辺、座っても大丈夫だよね・・・」)

 

おじゃましま~す.jpg

(「やっぱり、ここが落ち着くなぁ」のフジノスケ。)

 

その日から、岩山のてっぺんはジュタロウの定位置になりました。「俺が、リーダーだ!」と言わんばかりのジュタロウです。

ジュタロウ.jpg

(「俺がリーダーなの!!」と強気なジュタロウ。)

 

フジノスケはというと、なんとかてっぺんの位置に座ろうと、付近をウロウロ・・・。とりあえず、一線を越えないような距離感を保っています。

今回は、大事には至りませんでしたが、もうすぐ繁殖シーズンを迎えると、オスたちはテンションが上がり、小競り合いも多くなります。こちらも気が抜けない日々が続きそうです。

さとう