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🌳【樹木調査】レポート🌸の写真

更新日:2025.12.16🌳【樹木調査】レポート🌸

更新日:2025.12.16

🌳【樹木調査】レポート🌸

本日(12月16日)公園全域にわたりサクラの健全度調査及び危険木点検を実施いたしました。この調査は平成27年より毎年行われています。

サクラ健全度調査とは~当公園のランドマークとなっている多数の桜が樹齢を重ね老化しています。適切に管理することで寿命を延ばして残すことを目的としています。

危険木調査とは~倒木や枝の落下のありそうな樹木を洗い出し、対策することです。

午前9時30分調査を開始しました。樹木医の先生方6人、本部より4人、当公園園地職員6人集合しました。全体説明です。集合写真.jpg

3チーム(A,B,C)に分かれルートチェックします。これはCチームです。

野帳.jpg

サクラの老木には枯れ枝及びテングス病に侵された枝が多数あります。適切に除去を目指します。

枯れ枝.jpg

サクラ株元に、ベッコウ菌による心材の腐朽が見られます。樹木医の指示により経過観察とします。

てんぐさ菌.jpg

園路にかかるコナラに枯れ枝を発見。樹木医の先生から除去の指示を受けます。

枯れ枝除去.jpg

クスノキ根本に洞があります。根株心材腐朽菌によるとの事です。

根株心材腐朽菌.jpg

打音すると軽い音に変わり内部に空洞があることわかります。凄いです。

打音チェック.jpg

このさくらはサトザクラの台木に接ぎ木されたカンザンサクラです。ひこばえが生えてます。栄養を奪うことから早めに除去との指示。できるものはその場でカットしました。

ひこばえ切除.jpg

過去にケーブリングしたサクラですが、写真手前のワイヤーがピンと張っているのがわかります。これは幹が自身で支え切れてないことによります。ワイヤーを張った当初はたるんでいました。ケーブルは3トンの支持力があり耐用年数は凡そ8年です。このままだと倒れます。今後どうするか考えます。(早めに伐採もしくはケーブルを追加で張る等)

ケーブリング.jpg

二股の幹を調べたところ入皮といい、樹皮が内部に巻き込んでいます。見た目ではわかりませんが、内部では普及がすすんでいます。60cmのチェック棒を刺したところ40cmまで貫入しました。驚きです😯

入り皮・空洞.jpg

サクラ樹皮にてカミキリムシの幼虫が食い破った痕跡です。

カミキリムシ.jpg

12時30分午前の部終了しました。管理事務所にもどります。調査しながら樹木医の先生方とよもやま話。

1. 屋久島の縄文杉にも例年3月、11月と2回調査に行っているとのこと。宮之浦岳や白谷雲水狭の風景を思い出し話が弾みます。羨ましい😍

2. 当公園には園路に沿い多数の枯れ枝があるが、それを適切に管理するには園路の集約もしくは発想の転換をして欧米の公園のように利用者にある程度危険性を周知して自己責任で特に枝道などの散策をしてもらうやり方もあるのではと伺いました。

13時に午後の調査を開始しました。最初は大物です。園路脇の斜面にて大木が倒れかかってます。横浜市南部地域の地層は固い土丹の上に表土が積もっているので、表土部分しか浅く根が張っていなく、あて部分という山側の樹木組織が支え切れなくなとこのように倒れ出すとの事です。見分け方は下側の木の林冠と交差してることだそうです。正常な木は林冠は閉塞しているもののお互いに触れ合うことはないそうです。

浮き株.jpg

wow!😃 タイワンリスの巣を発見。

台湾リス.jpg

立ち枯れ寸前のサクラですが、脇からひこばえがでています。主幹を地面2m上で伐採してひこばえを残す萌芽更新を指示されました。捕植より現実的な対策との事です。

萌芽更新.jpg

エノキにいくつもの枯れ枝です。一応記録はしていきますがどこまで対策すべきかはコストの問題もあり思案のしどころです。横浜の丘陵地帯は約70年前はハゲ山だったそうです。そこに植林したり実生で林が育ちました。その後手入れをすることなく大木となった現在があるそうです。今自然を大事にということでこのような調査をしている面もありますが、果たして適切な管理とはどういうことか?市民自身も考えることもあるのではないか(緑税も納めているし)と先生からお話を受けました。

エノキ枯れ枝.jpg

巻根です。後で公園職員が切断して取り除きます。

巻根.jpg

根コブ病です。まだ大きくなく、樹木医の指示のもと経過観察します。

根こぶ病.jpg

15時、調査は当公園見晴らし台にて終了しました。しかーし管理事務所になかなか戻れません💦

カンツバキが枯死寸前です。先生から可哀そうだから伐採してほしいとの指示。ここは日陰の湿地でいい場所ではなかったようです。

かんつばき.jpg

園地に植えられたオオシマサクラです。樹勢が弱ってます。深植えによるものとのことです。すでに2段根になっているのでどうしようもなく、このまま様子を見るそうです。

深堀.jpg

15時30分に事務所に戻りました。樹木医の先生から総評をうけました。

富岡総合公園の内部の林はこのまま放っておくが、林縁部は大木にならないうちに人力で伐採してクリアランスを保ち比較的灌木、小木で維持していくのがいいのでは~との事でした。

充実した調査でした。都会でこんな体験できるとは嬉しいです。

参加された皆様おつかれさまでした。

ありがとうございます。