俣野別邸庭園公式サイト

庭園散歩【2025年5月18日】の写真

更新日:2025.05.17庭園散歩【2025年5月18日】

更新日:2025.05.17

庭園散歩【2025年5月18日】

 本日は朝から曇り空が広がっています。

 湿度も高く、初夏というより梅雨の初めといった気候です。

 10時から、庭園散歩を開催しました。

P1120252.jpg

 ▼本日のテーマは「花」

 20250517153933030_0001.jpg

 「花」は昆虫や野鳥から目立つように、大きく香りがよいものがあります。

 また、果実が熟すと色づくのは昆虫や野鳥に見つけてもらいやすくするため。

 このように子孫を残すため、植物は様々な戦略を獲得しました。

 花を咲かせる植物

 主に種子植物。有性生殖をおこない種子を残す植物

 ◆完全花 一つの花に蕚(がく)、花弁、雄しべ、雌しべがそろったものです。

 ◆完全花のうち、4つの要素が一つでも欠けると不完全花になります。花弁が退化して蕚(がく)に変化するもの、雌雄どちらかの蕊(しべ)がなくなるものなどがあります。どちらかの蕊がなくなることで、自家受粉できないため、他家受粉で結実します。他家受粉は近親交雑を回避するメリットがあります。

 ▼オオハンゲ(サトイモ科)~休憩棟前~

 完全花。ハエに受粉を手伝ってもらうため、臭いにおいを発します。

P1120256.jpg

 ▼クリスマスローズ(キンポウゲ科)~休憩棟前~

 完全花。花のように見えるところは蕚です。結実しても蕚の部分が残っているため、花期が長く見えるのです。

P1120257.jpg

 ▼ミツバ(セリ科)~もみじ坂~

 3枚出ている葉の1枚1枚は子葉です。3枚まとめて1枚の葉とカウントします。1枚の葉が複数の葉を出すため複葉と呼ばれます。

P1120266.jpg

 ▼ハルジオン(キク科)~もみじ坂~

 キク科の花は複数の花の集合体です。多くのキク科は中央の黄色い部分に舌状花があり、結実すると綿毛になり、風で遠くに飛ばされ、生息範囲を広げます。これも植物の戦略ですね。

P1120279.jpg

P1120270.jpg

 ▼タチツボスミレ(スミレ科)~もみじ坂~

 花を咲かせて種を付けますが、夏は花を咲かせない状態で自家受粉し結実します。(閉鎖花)

 スミレの種はアリが好む成分を持っているため、アリに運ばれ親株から離れた場所で繁殖することができます。

P1120273.jpg

 ▼ シダ植物~もみじ坂~

 葉は羽状複葉。ゼンマイやワラビ、オオタニワタリなどは春の山菜として有名です。ゼンマイは葉の裏に胞子を持たず、胞子を持つ胞子葉が遅れて出てきます。 P1120277.jpgP1120278.jpg

 ▼サンショウ(ミカン科)~山野草の小径~

 結実した種を蒔いても雌木が出てくることは稀です。葉や実は食用になり、材はすりこぎ棒に利用されます。

P1120280.jpg

 ▼ドクダミ(ドクダミ科)~山野草の小径~

 不完全花。蕚や花弁を持ちません。花のように見えるのは苞(ほう)と呼ばれる部分です。雑草として嫌われるドクダミは、民間薬やお茶に利用される有用植物でもあります。

P1120284.jpg

 ▼コンニャク(サトイモ科)~果樹園横~

 おなじみのコンニャクは球茎と呼ばれる根の部分から作られます。植え付けから開花までは5~6年が必要。ラッパ上の仏縁苞から大きく伸びた舷部は約2メートルになります。

P1120286.jpg

 ▼エゴノキ(エゴノキ科)~山野草の小径~

 果皮にはエゴサポニンという魚毒性のある物質が含まれます。

P1120285.jpg

 ▼ウツギ(アジサイ科)~北遠路~

  茎が空洞になっていることが名の由来です。卯月(4月)に白く美しい花を咲かせることから、卯の花とも呼ばれます。

DSCN5821.jpg

 ▼アリウム ギガンチウム(ネギ科)~芝生広場~DSCN9359.jpg

 ▼ゴールデンボーダー(バラ科)~芝生広場~

 バラの仲間は品種も多く、一季咲きや返り咲き、四季咲きの品種があります。八重咲のバラは雄しべが花弁化したもの。

バラ ゴールデンボーダー (2).jpg

 本日の庭園散歩も身近な植物から、珍しい植物など様々な植物を観察していただきました。参加していただいた皆さま、ありがとうございました。

P1120325.jpg

 次回の庭園散歩は6月15日(日) 10:00~11:00です。テーマは「あじさい」

 お申し込みは6月7日(土) 9:30~お電話または来館で受付致します。お誘いあわせの上、ご参加ください。