更新日:2020.02.26クリスマスローズのこと
クリスマスローズのこと
花木園のクリスマスローズがいよいよ本格的に咲き出しました。あっすみません。クリスマスローズではなくて、ハルザキクリスマスローズでした。日本で一般的にクリスマスローズとして認知されているこの種類、欧米ではキリスト教の四旬節(レント)の頃咲くので「レンテンローズ」とよび、本家クリスマスローズであるヘレボルス・ニゲルと区別します。植物的には、ヘレボルス・オリエンタリスまたは、オリエンタリス種を親とするオリエンタリス・ハイブリッドとよばれる園芸品種群を指します。ニゲル種は通称の示す通り、レンテンローズより早く、暖かい地域ではクリスマスの頃から咲きだします。今後は「レンテンローズ」または「ハルザキクリスマスローズ」とよんで、まわりの人に差を着けちゃいましょう!
なかなか見応えのある花木園のハルザキクリスマスローズ(写真はほんの一部)。イギリスのどこかの庭園のような景色です。年々立派な株になってきています。
ピンクの花を咲かせるハルザキクリスマスローズ。原種のオリエンタリスも見た目は園芸品種とパッと見は変わりない感じがします。(ただし当園に原種は植栽していません。)原種は3つの亜種に分けられていて、ピンクの花色はそのうちのひとつ、亜種アブチャシクスの血の影響です。
この花には細かい紅い点がちりばめられています。オリエンタリス・ハイブリッドによく見られるものですが、これは亜種のグッタトゥスの血によるものです。白と紅のコントラストが美しいです。
清楚な純白の花。意外と純白の花は交配品種には少ないのですが、原種のオリエンタリス(亜種オリエンタリス)はこのような白い花です。
こちらは薬草園にある大株。クリスマスローズの仲間は日本の蒸し暑さに弱いものが多いですが、オリエンタリスの系統は、当薬草園のような酷暑になる場所でもこんなに立派に育ってくれます。本当に健気で可愛い子達です。