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伊藤博文と金沢別邸 豆知識シリーズNo.8 ~茅葺屋根の燻蒸~の写真

更新日:2026.06.13伊藤博文と金沢別邸 豆知識シリーズNo.8 ~茅葺屋根の燻蒸~

更新日:2026.06.13

伊藤博文と金沢別邸 豆知識シリーズNo.8 ~茅葺屋根の燻蒸~

旧伊藤博文金沢別邸は茅葺寄棟屋根の建物です。
この茅葺屋根の美しい景観を維持するためには、昔から伝わる大切な手入れが欠かせません。
その一つが、今回ご紹介する「燻蒸(くんじょう)」です。

燻蒸とは、茅葺屋根の内部で木材などを燃やし、その煙で屋根全体をいぶす作業のことです。
かつての茅葺き民家には必ずと言っていいほど囲炉裏があり、日々の煮炊きや暖房で出る煙が、自然と家全体をいぶす役割を果たしていました。

煙には、茅や建材である柱や梁(はり)を防虫・防腐・殺菌する効果があります。
この伝統的なメンテナンスによって、茅葺屋根の耐用年数が飛躍的に延び、家そのものを長持ちさせることができるのです。

茅葺き屋根の葺き替えは一般的に2030年ごとと言われていますが、燻蒸は、その間、大切な家屋を害虫や腐食から守る役割を担っています。

しかし現代では、囲炉裏を使わない家が増えたため、意識的にこの燻蒸作業を行う必要が出てきました。
特に文化財として保存されている茅葺き建築では、定期的に専門家による燻蒸が行われています。

旧伊藤博文金沢別邸においても、専用の燻煙機を搭載した燻蒸専用車両を用いて年に2回燻蒸作業を行っています。
ナラ・クヌギ・サクラ などを薪として適切な温度管理のもと実施し、その日には見学会も開催しています。

♦燻蒸の様子♦
燻蒸の様子.png


茅葺屋根は、高い断熱性や遮熱性を持つ優れた自然素材の屋根ですが、職人の減少などの課題も抱えています。
そんな中、燻蒸という伝統的な知恵は、先人たちが自然と共生しながら文化を守り継いできた証であり、持続可能な建築のヒントにもなります。

茅葺き建築を見かけたら、ぜひその背景にあるこうした維持管理の努力にも、少し思いを馳せてみてください。


♦燻蒸見学会♦
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                        旧伊藤博文金沢別邸(横浜市指定有形文化財)