更新日:2026.08.28伊藤博文と金沢別邸 豆知識シリーズNo.11 ~障子の千鳥貼り~
更新日:2026.08.28
伊藤博文と金沢別邸 豆知識シリーズNo.11 ~障子の千鳥貼り~
旧伊藤博文金沢別邸の障子は「一分継ぎの千鳥貼り」と呼ばれる貼り方になっています。
「一分継ぎ」とは、和紙の継ぎ目をわずか 一分=3㎜ ほどの細い幅で重ねながら貼っていく方法です。
さらに、その和紙を、上下左右にずらしつつ配置していくのが「千鳥貼り」です。
継ぎ目を互い違いに配置することで、光のリズムを生み、茶室で用いられる繊細で上品な貼り方です。
整っているようで単調にならず、控えめながらも大変手間のかかる職人仕事であることが伝わってきます。
この障子を通して入る光は、一枚で貼る障子よりもやわらかく、室内に落ち着いた雰囲気をもたらします。
明るさを保ちつつ、視線を和らげる効果があり、ゆったりと長く過ごす空間に向いた貼り方といえるでしょう。


金沢別邸では、初夏と秋の年二回、お茶会が開かれています。
「一分継ぎの千鳥貼り」の障子が 単なる意匠ではなく、人が集い、静かに過ごすための工夫であったことが実感できます。
金沢別邸は、あまり目立った装飾はありませんが、建物の随所に細やかな配慮が見て取れます。
一分継ぎの千鳥貼り障子も、その一つとして、金沢別邸の落ち着いた雰囲気を静かに支えています。
見学する際には、ぜひ障子の貼り方にも目を向けてみてください。
この建物が持つ魅力を感じられるはずです。
旧伊藤博文金沢別邸(横浜市指定有形文化財)