
更新日:2025.08.07保護コゲラが野生に帰るまで🐤 保護から巣立ち編
保護コゲラが野生に帰るまで🐤 保護から巣立ち編
6月下旬、ズーラシアの動物病院にコゲラのヒナが3羽保護されてきました。
↑到着直後の様子
まだ巣立ち前だったので人工育雛することになりました。
担当者はキツツキ類のヒナを飼育した経験はなく、探り探りで野生復帰までの道のりを探ることになりました。
これから3回に分けて、保護されたコゲラが野生復帰するまでの様子をご紹介します🐥
そもそも皆さんコゲラという鳥をご存じでしょうか?
以前ブログでも紹介しましたね!(その時のブログはこちら:ズーラシアの野鳥⑧)
コゲラは日本に生息する最小のキツツキの仲間で、園内にも数多く生息しています。
↑巣からヒナが顔を出している様子(園長撮影)
過去には園内で営巣している様子が確認されたこともあります。
写真のように、木の穴を利用して子育てをします。
↑保護当日のコゲラたち
今回の保護原因は、営巣に気付かず木を伐採してしまったことでした。
伐採後に巣から落下したところを発見され、保護されてきました。
やや栄養不足の様子(目が開きにくい等の症状)があったので、獣医師と相談のうえでビタミン等の必要な栄養素を添加したコオロギを与えて、人工育雛することにしました。
幸いにも羽が生えそろいつつある段階まで成長しており、餌を与えると元気に口を開けて食べてくれました。
保護から1週間が経過すると、ふご(鳥のヒナを飼育するための容器)の隙間からチラチラ顔を出し始めるようになりました。
ちなみにですが、コゲラは後頭部の赤い羽根の有無で、雌雄判別が出来ます。
後頭部に赤い羽根がはえているこちらはオス個体です。
※今回保護された3羽では1羽がオス、2羽がメスでした。
こちらは全羽巣立った日の様子です。
巣立ち初日は3羽でふごにとまっていました。
2.3日経過すると、ケージ内を活発に移動するようになったので、止まり木を設置しました。
最初は初めての状況に戸惑い、キョロキョロしていましたが・・・
しばらくするとケージ内を動き回るようになりました。
キツツキの仲間なので木の中に隠さないと餌を食べないのでは・・・と不安に思っていたのですが、エサ台の上に置いた餌を見つけると、数日で食べるようになりました。
自力で採食できるようになったことで、安定して飼育管理できるようになりました。
しかし、野生復帰するためには、自分で餌を探して食べられるようになる必要があります。
ということで次回「ひとり立ち練習編」では、動物園でコゲラがどのように餌をとる練習をするのかご紹介します🐥
傷病動物担当 尾形
(横浜市の動物園での取組みはこちら)