
更新日:2025.08.26カナ、今までありがとう
カナ、今までありがとう
皆さまこんにちは。今日は、とても残念なお知らせがあります。
2025年8月26日、ホンドタヌキのカナが死亡しました。
8月25日の朝、担当者がいつもの獣舎に到着し、カナに挨拶をしに行くと、
寝室で横になっているカナがいました。
これまでであれば、介助をして立たせるとそのまま歩き出して、水を飲んだり、餌を食べたりしていたのですが、この日のカナは前脚が伸びきってしまい、立つことができない状態でした。
口元に水や餌を差し出しても反応はほとんどなく、元気もなかったため、園内の動物病院へ連れて行き、獣医の診察を受けました。
頭や脚を少しは動かすものの、やはり自力で採食ができる状態では無いため動物病院に入院させ、点滴等の処置を行って回復を望みました。
時折シリンジを使って水や犬用のミルクを差し出すと、カナは少しずつ飲んでくれました。
また、獣医の手からお肉のミンチを食べようとする様子も見られたそうです。
(布団の上に横たえられた点滴中のカナ)
(かけ布団は温度調整のために使用しています)
朝と比べて夕方には少し元気が出たような印象を受けましたが、今日一日は安静にしてもらい、また明日から食べることにチャレンジしてもらおう、と別れを告げました。
しかし、翌日病院へ向かうと、残念ながらカナは亡くなっていました。
前日とほとんど同じ体勢で、眠るように息を引き取っていました。
2009年に横浜市内で保護されたカナは今年で16歳と、飼育下のタヌキの寿命が10年程度と言われている中で本当に長生きしたタヌキでした。
長らく野毛山動物園で愛されて、脚が悪くなってからも自力でよく歩いたり、鳴き声をあげたりしている力強い姿に、元気をもらった方も多くいらっしゃることでしょう。
私自身、カナはカナなりに最後まで強く生きてくれたと感じています。
カナにもう会えないこと、そして皆さんに会ってもらえないことを思うと残念でなりませんが、どうかこれからも野毛山動物園の動物たちを応援していただければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
カナ、本当にありがとう、お疲れ様でした。
【餌を食べている時のカナの頭と耳を後ろから眺めるのが好きだった担当者 しも】