
更新日:2025.06.01臨時休園の日にやってきたのは🐤FINAL
臨時休園の日にやってきたのは🐤FINAL
すっかり更新が滞っていた保護されたヒヨドリのブログ。第4回です。
毎回お待たせしてしまい申し訳ありませんでした・・。
これまでの成長記録はこちらからご覧ください↓
しばらく間が空いてしまったので、これまでの様子を振り返りつつ、保護鳥類の野生復帰までの流れと、今回のヒヨドリの場合をあわせてご紹介します!
①保護当日
野鳥を発見した方にズーラシアまで持ち込んでいただきます。
受け取り後、動物病院で個体の状態(体重・怪我や元気の有無)を確認します。
必用に応じて獣医の診療(病気や骨折などの場合)を受けます。
【今回のヒヨドリの場合🐤】
昨年、台風が接近した日に保護されました。
12g程でまだ羽が生えていない状態でしたが、怪我はなく元気で、保温したのちコオロギを与えるとすぐに食べました。
②人工育雛
保護個体がヒナである場合、人工育雛(人の手で鳥のヒナを育てること)を行います。
体重の増加量を見ながら、徐々に餌を与える頻度を減らし、自分で餌をついばむように仕向けます。
狭いケージ内で自分で餌を食べ、体重を保てるようになったら次のステップに進みます。
【今回のヒヨドリの場合🐤】
コオロギを中心に給餌しました。
十数分おきに餌を催促してくるので、その都度与えます。
約1週間程度で羽が生えそろい、鳥らしい姿になります。
ちなみに保護2日目このような羽が・・・。
保護14日目にはこのようになります!(左右逆の羽です)
比べてみると約二週間での成長の速さにとても驚きます・・・!
鳥の羽は部位によって形が少しづつ違うのでとてもおもしろいです!
風切り羽の名称を記載したので、羽ごとのちがいをよく見てみてくださいね。
③野生復帰に向けたリハビリ
狭いケージ内で自力採食するようになったら、広い場所(動物病院内のリハビリケージ)で野生復帰に向けた練習を行います。
狭い場所だと飛ぶ力がつかないので様々な高さの止まり木を用意して、広い場所でたくさん運動してもらいます。
また広い場所のなかでも、自分で餌を探して食べる練習をします。
飼育員の手が無くても自分で行動して、餌を食べられるようになったら次のステップに進みます。
【今回のヒヨドリの場合🐤】
同時期に保護されてきた同い年のヒヨドリ4羽と一緒に過ごしました。
かなり長い間、口を開けて餌をねだる様子がありましたが、自分で餌を食べている他の個体を見るなかで、徐々に自分で餌を探して食べるようになりました!(※この写真では左眼にやや腫れが見られますが、放野時までに改善しています)
④放野準備
自分で餌をとれるようになり、広いケージでも問題なく飛行できるようになると、そろそろ野生に返すタイミングです。
野生で暮らしていく準備が整っているか、体の状態(体重・肉付きや羽の欠損、換羽の兆候の有無など)を確認します。
種によっては渡りの時期など、野生個体に合流するための時間の制約があるので注意しながら管理します。
大きな問題がなさそうであれば野生に返すことが決まります。
【今回のヒヨドリの場合🐤】
一部の羽が不揃いな様子がありましたが、野外での生活には十分であると判断し、放野を決めました。
⑤放野
野生に返すことが決まっても、すぐに放野するわけではありません。
その種に応じた環境(水鳥であれば河川の近く・猛禽類であれば餌の動物が生息している場所など)や放野日前後の天候・気温等から総合的に判断します。
【今回のヒヨドリの場合🐤】
園内に1年を通じて生息している鳥のため、動物病院の裏の森で野生に返すことにしました。
移動用のケージに入れて、
フタを開くとバタバタと出てきて、
あっという間に飛んで行ってしまいました。
しばらくは動物病院の屋上にとまっていましたが、翌日には姿が見えなくなっていたので、別の場所に移動したようです。
ここまでヒヨドリの様子を通じて、保護された鳥類を野生に返すまでの過程を簡単に紹介しました。
動物を保護してくれたお客様と話していると、「この子は今後どうなるんですか・・・?」と質問をいただく事が度々あります。
多くの動物がおり、放野する際にすべての方に個別に連絡することはできないのですが・・・こちらのブログがそんな疑問を解決するきっかけになったら嬉しいです。
🐤🐤🐤
さて!ちょうど現在は野鳥の子育てシーズン真っ盛りです!!
下記のページに野生動物の保護についての注意点が掲載されていますので、野生動物の保護について興味がでた方はご一読ください。
傷病鳥獣担当 尾形