
更新日:2025.08.08ペンギン日誌 ~エサの時間は知恵比べ~
ペンギン日誌 ~エサの時間は知恵比べ~
みなさまこんにちは!フンボルトペンギン担当です。
現在ズーラシアでは52羽のフンボルトペンギンを飼育しており、生息地の環境を再現した展示場でのびのびと過ごしています!
そんなフンボルトペンギンですが、個体によって性格は様々で、特にエサの時間になるとその違いが顕著に現れます。今回はそんな個体ごとの行動の違いを飼育担当目線の写真とともに、紹介したいと思います!
①飼育担当がプールに到着する前に魚をもらおうとするタイプ
エサの時間になると、ほとんどの個体がプールの方へ移動する中、真逆の方向に走ってくる個体が...。他の個体が魚をもらう前に、先に魚を独り占めしてしまおうとする、賢い個体もいます(笑)
②プールで魚を待つタイプ
最も多いのがこのタイプです。フンボルトペンギンは最高時速11kmで泳ぐことができるとも言われており、野生ではこの自慢の泳力を活かして生きている魚を捕まえます。
ズーラシアでは生きている魚は与えていないですが、エサの時間になると野生さながらのスピードで魚を奪い合う姿をご覧いただくことができます!
特に若い個体はプールで魚を待つことが多いです。
③飼育担当の足元で魚を待つタイプ
ペンギンも高齢になると徐々に体力が低下し、泳力が衰えたり、視力が低下したりします。そのため、スピード勝負で若い個体と争うと、十分にお腹を満たすことができなくなってしまいます。
そこで、高齢のペンギンたちはエサの時間になると泳ぐのをやめ、最初から飼育担当の足元に並んで魚をもらえるのを待つようになります。
実は飼育下でのフンボルトペンギンの寿命は20年以上と言われており、なかには30年近く生きる個体もいます。
ズーラシア最年長の個体は、上の写真に写っている個体で、1994年12月生まれの30歳です。
ズーラシアがオープンしたのは1999年なので、実はズーラシアよりもお年寄りなのですが、毎日展示場に出て、飼育担当の足元まで魚を取りに来てくれます!
④一旦泳いでみるけど諦めて足元にやってくるタイプ
高齢の個体は③のように最初から足元に集まってくることが多いですが、中には若者に負けじとプールで魚を待つ個体もいます。しかし、やはりスピード勝負ではなかなか勝つことができないので、しばらくすると諦めて足元にやってくることが多いです(笑)。
⑤飼育担当に圧力をかけて魚をもらおうとするタイプ
③のように足元に集まってくる個体のほとんどは、自分の順番が巡ってくるのを静かに待ってくれるのですが、中には飼育担当を突いて魚をもらおうとするせっかちな個体もいます。
実はペンギンのくちばしの先端は魚を捕らえるために鋭く曲がっており、突かれるととても痛いんです。
とはいえ、その個体ばかりに気を向けるわけにはいかないので、不意打ちで突かれることもしばしば...。
特にとっておきタイム中は痛みとの戦いになります(笑)。
⑥エサの時間が終わったあとに飼育担当を追いかけてくるタイプ
ズーラシアのフンボルトペンギン展示場は、プールと巣穴を自由に行き来できるようになっており、繁殖期になると多くのペンギン達が巣穴に残って卵を温めます。
そのため、飼育担当はプールでのエサの時間が終わった後に、観察を兼ねて巣穴に残っている個体にも魚を与えに行くのですが、そんな飼育担当をプールから追いかけてくる個体もいます。
プールではなるべく均等に魚を与えるようにしていますが、それでも食べ足りない個体やエサの時間に出遅れがち個体は、もう少し魚をもらおうと巣穴までとことこ歩いてついてくるんです(笑)。
ちなみに⑥のタイプの個体は、エサの時間が終わる少し前にプールからあがり、飼育担当が巣穴の近くにやってくるのを先回りして待ち構えていることもあります。
このようにペンギンたちは年齢や体力などによって、行動が違います!
ということで、今回はエサの時間のフンボルトペンギンの行動の違いを紹介しました!
8月までの毎日午前10時45分から行っているフンボルトペンギンのとっておきタイムでは、そんなフンボルトペンギンたちのエサの時間の様子もご覧いただけるので、ズーラシアに来園された際は、ぜひお越しください!!
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