更新日:2026.09.21住む場所が安心できない
住む場所が安心できない
レッサーパンダは、毛皮や肉、ペットを目的として密猟されることがあります。
国際的な取引はワシントン条約(CITES)の附属書Ⅰに掲載され、商業的な取引は原則として禁止されていますが、未だ多くの個体が密猟被害にあっています。

2018年1月にラオスで密輸組織の摘発がありました。この事件では6頭のレッサーパンダが保護されましたが、うち3頭は衰弱死しています。
2025年1月には、タイでレッサーパンダやオランウータンなどが車両や建物内から発見され、複数名が逮捕される事件が発生しました。
この事件は、野生動物密輸に関する情報をもとに警察が不審な車両を発見し、車両から保護動物であるテテナガザルやオランウータンが複数頭確認されたことが発端とされています。
その後、複数の野生動物の保管場所が調査され、保護動物であるマングースとカオカオホオジロ、管理対象動物であるワタボウシタマリンとレッサーパンダが押収されたとのことです。
押収されたレッサーパンダは南米から密輸されたとみられており、高額で取引されていたそうです。レッサーパンダは南米原産ではないため一体この個体はどこから来たのでしょうか?
ワシントン条約が採択された1973年までは、野生生物の捕獲や狩猟は地域によっては無制限に行なわれていました。
現在は、ワシントン条約や多くの国で野生生物を守る法律が整備されたため、無制限な狩猟などはできなくなり、そうしたルールを守らない狩猟や採集は、違法行為として取り締まりがされています。

それでも密猟・密輸被害は後をたちません。
野生生物の違法取引でやり取りされているお金は、年間数兆円にもなるといわれ、大変膨大なものになります。
違法であったとしても需要があれば、そこに供給する人が現れます。
ペットとしての需要、嗜好品としての需要など様々な用途はありますが、こうしたことが、過剰な捕獲や違法な取引を生む、一番の原因になるのです。
需要が減れば、売買できないため密猟を抑えることができるかもしれません。
密猟された個体には帰り道はなく帰る場所もありません。

また、合法で迎え入れたペットたちにも最期まで責任ある飼い方をお願いします。
コロナ禍の際に在宅時間が増えたことで、癒しを求めてペットを飼う方が大幅に増えましたが、コロナ禍が落ち着くと飼育放棄される個体が相次いだそうです。
お金を出せばペットは買うことが出来ますが、最後まで飼うには時間と購入金額以上にお金が必要になりますので、ペットを飼う前にちゃんと考えてから迎え入れてあげてください。
また、飼えなくなった、飼うのが億劫になったからといって野外に放すこともおやめください。
それは、自然に返してあげた。野生に戻してあげたとはなりません。
一度飼育に入れた個体を野生に戻すのには、適切な過程、訓練が必要になりますし、ペット流通している個体は飼育下繁殖の個体も多いため、そもそも野生を知らない個体ばかりなうえ、本来の生息地ではない場所に捨てるのはデメリットでしかありません。
ペットを野外に放すことは自然に返す、野生に戻すではなく、生命を捨てる、自然の生命を壊すことになることを認識して頂けたらと思います。
飼育展示係 大滝