
更新日:2025.05.26暑くなってきましたね
暑くなってきましたね
まだ、5月なのに最高気温が30℃に届きそうな今日この頃皆様いかがお過ごしですか?
レッサーパンダのイチゴは暑そうにしています。
レッサーパンダは本来、寒い生息地で生き抜くため上毛、下毛ともに密に生えている生き物です。イチゴは日本生まれ日本育ちの大和撫子ですが生物としてのスペックはレッサーパンダそのものです。
適切な表現かはわかりませんが、我々が冬に厚手のインナーを着て、更にダウンコートを着ている状態で一年中過ごしているわけです。それは暑い。
人が心地よい温度でもレッサーパンダにとって快適かどうかは別です。
担当になった当初、獣舎がやたら寒く保温したほうがいいのではと思うぐらいでしたが、その舎内温でイチゴは快適そうに生活していたので、人間の好適温度とはまったく異なると感じました。
イチゴも12歳レッサーパンダ界隈では決して若くない年齢になってきました。
イチゴ自身外に出たがっていても気持ちと体力が伴わないことも増えてきているようです。
去年までできた行動ができなくなる。
体力のリカバリーに時間がかかる。
夜遅くまで起きていられなくなる。
昨晩何をたべたか思いだせなくなる。
家の鍵を閉めて出てきたのか不安になる。
ものを取りに来たのに何を取りに来たのか忘れている。そもそも物を取りに来たことすら忘れている。
手元の文字がみえなくなる。
新人の子たちがキラキラしていて直視できない。
エモいの意味が分からない。
去年着ていた服がきつく感じる。
などなどきっとイチゴも似たような感覚を持っていることでしょう(上記すべて担当者の現状です)。
外に出たがるので寝室を開放にして出しておくとずっと外にいたがる。
閉園後収容すると疲れた様子で寝室に入ってくる。
疲れているのか夜餌をあまり食べない。なんなら朝餌も残しがち。
餌を食べないから体力が落ちる。
そのような日が数日続きました。
このまま、この負のスパイラルが続いてしまうとイチゴも飼育員も中々に大変です。
そんなわけで、お外に出たい(出したい)気持ちを抑えつつ日中様子を見て屋内へ収容することにしました。
動物福祉をイチゴの気持ちと健康管理どちらに取るか判断に悩みますが、これから暑くなる季節にもなりますので健康管理に重きを置くこととします。
開園中に使用している部屋だけだと行動の選択肢が少ないため、動物福祉にも配慮し夜間使用している奥側の部屋も日中開放にして行動範囲を拡げてあげることにしました。
奥側の部屋に遊びに行ってしまうと園路から見えづらいことかと思いますが、贔屓目にみて頂ければ幸いです。
飼育展示係 大滝