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更新日:2020.05.31NOGEYAMA  ZOO  COLLECTION  Vol.2

更新日:2020.05.31

NOGEYAMA  ZOO  COLLECTION  Vol.2

いつもと違う視点で動物たちを見つめてみる『NOGEYAMA  ZOO  COLLECTION』。

2回目となる今回は『スペシャリスト』と呼ばれる動物についてです。

スペシャリスト、言葉としては『専門家』という意味ですが、動物の場合では、特定の食物を専門に食べる動物のことを『スペシャリスト』と呼び、逆に食性が広い(何でも食べる)動物のことを『ジェネラリスト』と呼びます。

スペシャリストの動物の多くは、その食物を食べるために体が特殊化しています。

横浜の動物園でご覧いただけるスペシャリストの動物は、よこはま動物園ズーラシアのオオアリクイや金沢動物園のコアラがおり、野毛山動物園ではミナミコアリクイがそれにあたります。

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アリクイがアリを食べるため、細長い舌をしていることはご存じの方も多いと思いますが、では「あの長い舌をどのように出し入れしているのか」って、意外と不思議ではありませんか?

今回は『野毛山動物園の画伯』こと、レッサーパンダ担当のF職員が描いてくれたイラストを元にその仕組みを簡単にご説明いたします。(またまた頼れる先輩職員のお力を借りています。いつもありがとうございます‼)

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これは、アリクイの頭骨と下顎をイラスト化したものです。

アリクイの下顎は左右の骨が離れているので、筋肉の動きに合わせて大きく動かすことができます。

これを見慣れたアリクイの顔に当てはめてみたものが、次のイラストです。

野毛山動物園のロゴマークをアリに見立てて、舌の出し入れの様子を確認してみると、

2アリクイ舌ブログ .jpg

舌を出す際は下顎の幅が狭くなり、

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舌をひっこめる際は下顎の幅が広くなります。

私たち人間はものを食べるとき、頬筋により顎を上下に動かして食べますが、アリクイの場合は、下顎を左右別々に動かすことができます。

そのため、舌を押し出すときには幅が狭まり、引っ込めるときには広がることにより、舌の出し入れをスムーズに行うことができるのです。

この口腔内の構造により、たくさんのシロアリやアリを舐めとって食べることができるのです。

ちなみに舌の出し入れの回数は、1分間に100回以上とのこと。凄すぎます。

※参考文献:アリクイの口のなぞが、ついにとけた!(株式会社 くもん出版)、動物の世界(新星出版社)

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野生では1日に数万匹のシロアリやアリを食べているといわれますが、動物園では必要量を用意できないため、代替品として、ペースト状のごはんをあげています。

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現在、野毛山動物園では、食虫目(昆虫を食べる動物)用の固形飼料や鶏肉(馬肉)のミンチ、犬用の缶詰、ヨーグルト、アボカド、プルーン、冷凍コオロギ(解凍)をお湯で溶いてペースト状にしたものを主食として朝と夕方の1日2回あげており、その他に副食として時々、トマトやミカンなどを加工せずそのままあげています。

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シロアリやアリは栄養豊富な食物であるため、それに近い栄養素を伴う食材は1種類ではまかなえず、数種類の食材を混ぜてあげています。

それを考えると、アリは本当に優れた食べ物だと気付かされます。

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食べ方は意外と豪快で、口元をペースト状のごはんの中に入れ、ズーズーという音をたてながら食べます。

鼻の穴も思いっきり入ってしまっているので、時々、息継ぎをするために顔を上げる時があります。

※実際の採食の様子は、野毛山動物園の『無観客ミニガイド⑦』でご覧いただけます。

昆虫は世界中どこでも生息し、かつ栄養たっぷりな食材であるため、人間の間でも密かに『昆虫食』を推奨する動きもあるみたいです。

コアリクイ担当者としてはとても理解できる話なのですが、勇気のある方は是非お試しください。(もちろん、食材として購入できるものに限り(・・・)のお話ですが。)

飼育展示係 大谷