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キズナの近況の写真

更新日:2023.12.26キズナの近況

更新日:2023.12.26

キズナの近況

カピバラのキズナ(オス・13歳)ですが、11月中旬ころから脚力と視力の低下が見られ、歩行時に転倒してしまうことが増えきました。

これまで開園時間中は、キズナが好きな場所を選べるように展示場や寝室を開放として行き来させていましたが、転倒の際に軽い怪我をしてしまうことがあるため、現在は展示場へのアプローチはせずに寝室の中で過ごしてもらっています。

視力低下、眼球白濁してきたキズナ.jpg

天気の良い日には展示場につながる通路で、日向ぼっこをするのが日課になっていたキズナ。『おうち時間』が今までよりも長くなってしまうので、少しでもキズナに快適に過ごしてもらおうと、寝室の一部をバリアフリー化しました。

日の当たる通路で日光浴をするキズナ.jpg

コンクリートの床にはインドサイやインドゾウの寝室の床材として使用しているおが粉を敷き詰め、万が一転倒してしまっても怪我をせず、自ら起き上がりやすいようにしました。

また、おが粉は床暖房のような役割も果たしてくれるので、長時間座っていても体が冷えることがありません。

寝室をバリアフリー化.jpg

次はすきま風対策です。元々カピバラは寒いのが苦手な動物な上に老齢であるキズナにとっては冬の寒さは応えます。

そこで獣舎内の暖房に加え、寝室の格子にビニールクロスを張ることで室温が保てるようになりました。

寝室の格子にビニールクロスを張って防寒対策.jpg

それと同時にキズナが座る場所を想定してコルツヒーター(家畜用ヒーター)を吊るし、ホットスポットも作りました。

寝室におが粉を敷き、コルツヒータも設置.jpg

また、今まで使っていた餌入れも足腰が弱くなってきたキズナにとっては高いし深すぎました。そこで床に直置きしてみたところ、ゆっくり食べられるようになりました。

今まで使用していた餌入れと水飲み.jpg

身体的な変化に最初はキズナ自身が戸惑う様子も見られましたが、持ち前の適応能力の高さで、日を追うごとに状態は良化しているようです。

徐々に状態が安定してきたキズナ.jpg

キズナの生命力を感じ、あらためて『動物たちの尊さ』を実感する機会になりました。

これから先のキズナは今まで当たり前にできていたことが、思うようにできないことも増えてくるかもしれません。

それでも、その時、その場面に応じた飼育管理でキズナを支えていきていと思っております。

寝室内で笹を食べるキズナ.jpg

当面(特に寒い時期)は展示を控えてしまうため、皆様に直接キズナをご覧いただくことができず心苦しく思います。

時折、ブログやSNS等でキズナの様子を発信していきたいと考えております。

ご迷惑をおかけしますが、ご理解のほど、よろしくお願い致します。

(キズナファースト 大谷)