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重陽の節句の写真

更新日:2025.09.15重陽の節句

更新日:2025.09.15

重陽の節句

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9月2日から10日まで、金沢八景権現山公園の中にある旧円通寺客殿において重陽の節句の展示をおこないました。

 重陽の節句は五節句のひとつで、菊を用いて不老長寿を願うことから別名「菊の節句」といいます。

 古代中国では菊の香りには霊力があるとされ、生命力の象徴の花とも考えられていた菊を愛でる重陽の節句には健康や長寿を祈る意味合いがあります。

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また、重陽の節句は「のちの雛」とも言われ、これは桃の節句(雛祭り)で飾った雛人形を半年後の重陽の節句で虫干しを兼ねて再び飾り、健康・長寿・厄除けなどを願う風習で、江戸時代に広がったといわれています。

 もう一つ興味深いのが、菊の節句の趣向のひとつ、菊の被綿(きせわた)。

重陽の節句の前日、九月八日の夜に、菊の花のうえに綿をかぶせておきます。そのまま一晩おいておき、夜露や菊の花の香りを綿に移します。

そして九日の朝、その綿で自分の身を撫でて菊の気をいただくと長生きできると言い伝えられていました。

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菊の被綿を再現した座敷の装飾は「なかなか珍しい」と、訪れたお客様も大変喜んでくださっていました。

なかには「82歳、初めて重陽の節句を体験しにきました!」と意気込んで来られたお客様の弾けるような笑顔も。

半年ぶりに戸棚から出て光を浴びたお雛様たちもにっこりのイベントとなりました。

(金沢こまち)