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ズーラシアスクール第4回「アフリカの動物たち~サイのさいなん?!~」の写真

更新日:2018.01.12ズーラシアスクール第4回「アフリカの動物たち~サイのさいなん?!~」

更新日:2018.01.12

ズーラシアスクール第4回「アフリカの動物たち~サイのさいなん?!~」

あけましておめでとうございます。

年をまたいでしまいましたが、昨年12月に行ったスクール第4回の内容をご報告します。

 

 

第4回はサバンナ編。

第3回の温帯編では、日本に生息する野生動物を対象に、生息数が増減するしくみを学びました。

アフリカには日本に生息しない野生動物種がたくさんいます。

もちろん日本と同じように、生息数の多い種や少ない種さまざまです。

 

今回の授業では、急激に生息数が減ってしまった「サイ」をピックアップ!

題して「アフリカの動物たち~サイのさいなん?!~」

 

サイのお話です。

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そもそも、サイとはどのような動物でしょうか?

宿題として、「サイについて知っていること」「質問したいこと」を考えてきてもらったので、

質問に答える→書き出すという形でサイについてイメージしてもらうことにしました。

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生徒からの質問は、サイの生態、角、エサ、種類についてなど、なんとなく分けることが出来ました。

残念ながら時間が押していたので知っていることについて全体発表をすることが出来なかったのですが、

職員が補足説明を行うなか、各々なんとなくサイについてわかってきた。ような。。。

 

 

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そんな流れからの、衝撃発表

 

「世界に3頭だけ?!この動物はなんでしょう?」

 

いやいや、もちろん話の流れからして「サイ」ですよね。

 

これは「キタシロサイ」の例なのですが、絶滅寸前です。

いったいどうして絶滅寸前になるほど生息数が減ってしまったのでしょうか?

知っていますか?

 

その対策は??

 

などなど、このような流れでサイの現状についてお話をしました。

 

 

アフリカに生息しているサイは「クロサイ」と「シロサイ」です。

ズーラシアでは「クロサイ」を飼育しているので、次は実際にサイを見に行くことにしました。

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クロサイ担当の飼育員。

 

園路からの観察ではなく、特別にサイのお部屋(獣舎)に入ることを許可してくれました。

サイはとてもデリケートな動物です。

スクールは大人数なのでサイを驚かせないよう、しっかりと注意事項を伝えます。

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いつもはおふざけも垣間見える元気っ子スクール生たちが、こころなしか緊張気味になりました。

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そして、もっと緊張していたかもしれない、クロサイのメス「アキリ」。

アキリは最近屋内展示場デビューしたばかりの、人が大好きだけれどとてもデリケートな性格です。

実は準備の段階でそわそわしていたというアキリ。

今回初のスクール対応で驚いて走ったりしないか少し心配していましたが、こんなにも近くでみんなの前にいてくれました。

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いつも食べているエサを見たり、アキリの生い立ちや性格、ズーラシアでの暮らし方のお話を聞きました。

 

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そのあとは屋内展示場前に移動して、アキリが見守るなか、サイの生息数減少の原因になってしまった角についてのお話です。

 

大きな頭骨には角の骨はありません。

サイの角は骨ではないのです。人間の爪や毛と同じ成分のケラチンというたんぱく質でできていて、一生伸び続けます。

角をこする習性があるため、飼育担当者はオスのクロサイ「ニル」の角の削りカスも集めていました。

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実際に触らせてもらい、みんなも興味津々です。

 

 

そんな流れからの、再び衝撃ニュース

 

「サイの角を獲るために動物園に侵入して、サイが殺された事件があった」

 

!!なんと!!

本当ですか?!

 

 

「野生のサイの角が漢方薬として人気」

「角を獲るためにサイが殺される→生息数減少」

「対策として密猟者から守るために保護区へ移動」

などなど、さまざまなキーワードを話して授業を進めてきましたが、

動物園のサイも狙われていたなんて。。。

 

 

と、いうようなお話を聞いたあとは、教室に戻ってみんなで考えました。

グループワークの時間です。

 

  

テーマは

『人とかかわる中でいろんな立場のサイがいるけれど、自分の中でどのサイだったら「あり」かな?「なし」かな?』

 

ちょっとざっくりとした質問で、わかりづらいでしょうか?

 

分ける項目は、

①野生のサイ

②ワシントン条約(法律)によって守られているサイ

③保護区のサイ

④繁殖施設のサイ

⑤動物園のサイ

⑥サイの角を漢方薬に使うこと

⑦サイの角を漢方薬以外に使うこと

の7つです。

 

これらは、ひとつひとつサイの置かれている状況が異なります。

 

  

良い悪いは別として、まずは自分にとってどうだろう?どう思う?と投げかけることで、

人と動物とのかかわりを考えてもらうきっかけになればと考えました。

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さらにグループワークなので、4グループに分かれてそれぞれの考えを出し合い、グループとしての意見をまとめてもらいます。

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真剣な顔をしながら、ぽつぽつと話し出したり、サイのアイコンを「あり⇔なし」に動かし始めました。

グループワークということで最初はなかなか意見が出ませんでしたが、みんなそれぞれに考えはあるようです。

 

あっという間に時間となり、各グループの発表です。

グループで意見をまとめることが出来たのでしょうか?

発表すること自体も緊張しますが、みんな頑張りました。

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グループ全員で発表してくれたところもあれば、

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代表者が意見をまとめて発表してくれたグループもありました。

 

 

結果は、各グループの意見が分かれ、とても面白いものとなりました。

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角の利用についてはどのグループも「なし」になりました。

 

しかしサイについては、「あり寄り」のなかでもその順番に違いが!(真ん中もありましたね)

 

「野生が一番。好きなように生きる。人の手が入るほどなしだと思う。」

「野生のサイは密猟者に狙われているから安全ではないし、保護区や繁殖施設で生息数を増やせる」

など、意見を聞いていくとどうやらなんとなく

 

「野生のサイ自由尊重派」「サイの保護推進派」に分かれていた印象です。

 

 

ほかのグループに対する質問や指摘も交えて、だんだんとエンジンのかかってきた生徒たち。

自分の意見をしっかりと持っているようで、きびしいツッコミにもひるむことなく返していました。

 

 

そこでわかってきたのは、スクール内でもこんなに意見が異なるということ。

これが全世界となると、共通の問題意識を持つことは本当に難しいと思います。

文化、価値観が違い、動物に対する意識も当然みんな違います。

 

「サイの角を使っている人はなしにしないもんね」

 

生徒からそんな言葉が出てきたことが、今回の授業のよかった点かなと思います。

 

 

次回は1月20日の熱帯編。

今年もよろしくお願いいたします!

ズーラシアスクール担当 山本